数年前、さむーい冬の日に、屋台でワンカップ熱燗を飲みながら、隣の若いお姉ちゃんグループに絡んだことがあります(笑)
その時にお姉ちゃんから、
「ワンカップwおっさんやんwww」
と言われたことがあります。
(おっさんちゃうわ!!当時まだ20代やぞ!)
確かに、私自身そうですが、ワンカップというと『アル中のおじさん向け』という印象の人が多いのではないでしょうか?
けど実は、ワンカップは元々【若者向け】に作られた商品なんですよ。
今回は、
ワンカップとは|成り立ちに込められた種類と量の秘密
をお送りします。
ワンカップとは
『ワンカップ』とは大関の登録商標です。
他メーカーからも似たようなパッケージの類似品が販売されていますが、それらはあくまで【ワンカップ類似品】になるのですね。
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正確にはワンカップは、大関の商品だけを指す言葉なのです。
ワンカップの歴史
ワンカップが1番最初に発売されたのは、1964年10月10日です。
東京オリンピックの開催日に合わせて発売されました。
50年以上も続くロングセラー商品ですが、実は発売当初からヒットしていたわけではありません。
商品開発のキッカケ
ワンカップが発売される前、日本酒はというと『一升瓶で売られるのが一般的』でした。
それこそアル中ですよね(笑)
飲み屋で日本酒を注文しても一升瓶から徳利についでから提供され、ビールもビール瓶ごと提供されるのが一般的だったのです。
このことについて、当時の大関社長である十代長部文次郎は、こう考えました。
「ラベルのついたビール瓶とは違って、徳利で提供されたらどこの酒かわからない」
これがワンカップ開発のキッカケとなりました。
【酒を入れたコップにラベルを貼って売る】ことで、自社の商品だけをということをアピールしようと考えたのです。
売れ行きの苦戦
発売当初の売り上げは上出来とは言い難いものでした。
発売当時、『日本酒は徳利で飲むもの』であり、「コップで飲む酒は安酒である」というマイナスイメージが強く、なかなか受け入れられなかったのです。
しかし大関としては【安酒】というイメージを払拭するために『いつでも、どこでも飲める』というキャッチコピーで売り出しました。
また、従来の『いい日本酒は徳利で飲むもの』という常識を覆すために、常識に囚われない柔軟な価値観の【若者】をターゲットとし、広告などにも若者に人気の俳優などを積極的に起用したのです。
ヒットのキッカケ
そんなワンカップがヒット商品になるキッカケが、自動販売機と斬新な広告戦略です。
当時の自動販売機では、日本酒はおろかビールも売られていない時代でしたが、大関はワンカップを自動販売機で購入できるようにしました。
また当時、人気のあったタバコ『ハイライト』にワンカップ大関の広告を載せることで、一気に知名度を上げることに成功しました。
この2つの挑戦が大きなキッカケとなり、ワンカップの人気に火がついたのです。
他社の追従を許さないアイデア
ただ他社メーカーも指を咥えて見ているだけではありせん。
ワンカップの人気に火がついた頃、他社メーカーもこぞって『ワンカップ類似品』の販売を開始しています。
これに対して大関は、ラベルの裏に写真を印刷する事で、ガラス越しに写真を楽しめるような工夫をしたり、『ワンカップ贈答券』を販売するなど、それまでになかった斬新なアイデアを次々と投下し、ワンカップ大関の地位を確固たるものにしてきました。
冒頭にも述べたように、ワンカップというと『おじさん』というイメージが強いと思いますが、もともとは若者向けをイメージして作られました。
当時の若者が、長年愛飲し続けることで、結果当時の若者が今ではおじさんになってしまっただけなのです。
最近でも指原莉乃さんをCMキャラクターに起用するなど、若者をターゲットにしているという基本コンセプトは変わっていないようです。
って今は違いますねw
指原さんはどうやら、H27年を最後に降板された模様です(笑)
ワンカップの量は
ワンカップの代表でもあるワンカップ大関の内容量は【180ml=180cc】です。
『ml?cc?』と、単位の話になると混乱する人もいると思いますが、どちらも同じ意味です。
どちらも体積を表す単位ですが、国際単位系で認められているのは『ml』になります。
ですから、お酒のパッケージに書かれている容量なんかもml表記のものが多いんですね。
料理のレシピなんかの場合はcc表記が多いです。
ちなみに重さは約180グラムです。
アルコールは水よりも比重が軽いため、厳密には180グラムよりも軽いのですが、ざっくり180gという認識で問題ないと思います。
ただ色々な種類のワンカップが販売されているので、商品によっては200mlのものもあったりします。
ちなみに料理のレシピなんかによく『料理酒1カップ』と出てきますが、レシピの場合には【1カップ=200ml】です。
しかし『米1カップ』の場合については【180ml】です、ややこしいですね(笑)
一般的に『米1カップ=1合』という意味です。
お酒も米と同様に『合(ゴウ)』や『升(ショウ)』という単位で量を表現することがあります。
そのため、お酒のワンカップ(1カップ)も、お米と同じく『1合』という意味で、ワンカップは『一合酒』=『180ml』となる訳ですね。
ワンカップの種類
ワンカップの種類としては様々ありますが、【ワンカップ】という名称を冠するものは【日本酒】のみです。
ワンカップと同じように180mlのコップ型容器に入った焼酎なども大関から販売されていますが、こちらはワンカップの名を冠していません。
ただワンカップの名を冠した日本酒だけでも、その銘柄の種類はかなり豊富です。
ざっくりとラインナップを紹介します。
ワンカップ定番シリーズ
- 上撰金冠ワンカップ
- 佳撰ワンカップ
- ワンカップジャンボ
- ワンカップミニ
- ワンカップ淡麗辛口
- ワンカップエキストラ
- ワンカップエキストラゴールド
- 上撰金冠ワンカップコンパクト
ワンカップ吟醸酒シリーズ
- ワンカップ大吟醸
- ワンカップ大吟醸ミニ
生貯蔵酒シリーズ
- 上撰ワンカップ生貯蔵
- ワンカップジャンボ生貯蔵
にごり酒シリーズ
- ワンカップ純米にごり酒
ものによっては容量が180mlではなく、ジャンボなら300mlや、ミニなら100mlのものもあります。
またワンカップコンパクトに関しては瓶ではなく紙コップタイプまで。
このことからも、【ワンカップ】という名称が単なる商品特性を表す言葉ではなく、1つのブランド名として確立されていることがわかりますね。
まとめ
日本酒を家で飲むのって、意外とハードルが高いんですよね。
そのため特に若者にとって日本酒は、他のアルコール飲料よりも遠い存在になりがちなのです。
その点、ワンカップは手軽に日本酒を楽しむことができるので、日本酒に挑戦してみようと考える若者にはうってつけの商品なのです。
ワンカップで日本酒デビューしてみませんか?