秋の酒の楽しみの方といえば、思い浮かぶのが月見酒。
窓辺や外で美味しい日本酒を片手に、綺麗な月を見ながらクイッと一杯・・・たまりません。
日本人が月を愛でる習慣は、なんと縄文時代には既にあったとされています。
明かりの無かった時代に、我々の祖先は満月の灯りで集会や祭りをしていたのです。
そう考えると、なんともロマンを感じますね。
今回は、そんな日本の風物詩「月見酒」をより楽しむ雑学や、新たにスタートした「月見酒の日」についてまとめました。
というわけで、
月見酒で秋の夜長を|季節と日付はいつか分かりやすく解説
をお送りします。
月見酒とは
「月見酒(ツキミザケ)」とは文字通り、月を見ながらお酒を楽しむ事です。
古くからは「月見酒=日本酒」で楽しまれてきました。
ですが「日本酒が苦手だけど雰囲気を楽しみたい!」という方は別のお酒でも全く構いません。
用意するもの
手軽に酒だけ楽しんでも良いですが、お月見と合わせて行うのがおすすめ。
- 月見だんご
- 里いもやサツマイモなどの芋類
- 旬の野菜や果物
- すすき
などを準備するとより雰囲気が増します。
小物にこだわる
月の光を楽しむ為に、周りをなるべく暗くする事をお勧めしますが、暗すぎて酒を零してしまうと大変!
キャンドルや和ロウソクの灯りがあると手元も明るく、柔らかい灯りでリラックスできる雰囲気を演出してくれます。
また、器にもしっかりこだわりたい所。
- 月の光が酒に映るような、口の広い器
- 眺めて楽しい、見た目がオシャレな器
こんな器だと最高ですね。
日本酒におすすめの器はこちらにまとめてありますので参考にして下さい。
>>>お日本酒をオシャレに!【徳利&おちょこセット】特徴・種類別まとめ
また、2017年には秋の風物詩である「月見酒」をより楽しもうと、新たな記念日「月見酒の日」がスタートしました。
月見酒の日とは
「月見酒の日」とは、日本酒の老舗企業である月桂冠が「中秋の名月は月見酒の日」として記念日協会に登録申請して採用されたもの。
現代日本を生きる人たちが、改めてこの粋な文化に目を向けて楽しむきっかけになればという意図で、2017年からスタートした新しい記念日です。
これからも、イベントなどが増えそうで楽しみですね。
中秋の名月と月見酒の歴史
中秋の名月は「月見を楽しむ日」として古来より日本で親しまれており、平安時代に中国より伝わったとされています。
初めは貴族の風雅な楽しみとして広まった月見酒。
平安時代の貴族は空に浮かぶ月ではなく、水面や盃の酒に映る月を愛でていたそうです。
なんとも風流ですね。
鎌倉・室町時代になると農耕儀礼として庶民に伝わりました。
稔った稲穂や里芋・枝豆や団子などを備えて、豊作に感謝し山や神々に感謝しながら酒を酌み交わしたといいます。
日本文化に根付く「月見酒」
月見酒は、日本の文化の中で広く愛されています。
俳句の世界では秋の季語として、「月見酒」を使用した句が沢山生まれています。
花札(こいこい)の役の1つにも「菊と盃」「芒と月」の揃いで「月見酒(月見で一杯)」とするものがあり、たった2枚で作れる役として知られています。
「中秋の名月」とは
「中秋の名月」はその名の通り「秋の真ん中に出る月」という意味で、旧暦の秋である7・8・9月の真ん中の8月15日の夜の月の事を指します。
(昔の暦では1〜3月を春、4〜6月を夏、7〜9月を秋、10〜12月を冬としていました。)
満月は1年に数回あります。
中でも旧暦8月に出る月が1年の中で最も明るく美しいと言われているため、特別扱いをされているのです。
また、似たような意味で使われる秋の言葉に「十五夜」がありますよね。
ですが、細かく見るとニュアンスが異なります。
- 中秋の名月・・・旧暦8月15日の夜の月
- 十五夜・・・旧暦8月15日の夜
2018年は、いつが「月見酒の日(中秋の名月)」なの?
月見酒をするにあたって、気になるのはやはり日付。
2018年は、2018年9月24日(月)が月見酒の日となっています。
2019年以降は以下の通り。
- 2019年9月13日(金)
- 2020年10月1日(木)
- 2021年9月21日(火)
- 2022年9月10日(土)
- 2023年9月29日(金)
日付も曜日もバラバラです。
中秋の名月は「旧暦8月15日の夜の月」と定められている為、新暦と旧暦で約1〜2ヶ月のズレが生じ、他の記念日と違って毎年日付が変わるのが特徴です。
「月見酒の日(中秋の名月)」は満月とは限らない
月見酒の日である「中秋の名月」といえば満月のイメージがありますが、実はそうとも限りません。
というよりも満月ではない事の方が多いのです。
前述したように、中秋の名月の日付は旧暦から定まります。
- 旧暦と月の満ち欠けの周期が全く同じでない事
- 月の満ち欠けの周期が一定でない事
以上2点の理由から「月見酒の日=満月」とは限らないのです。
とはいえ、満月前後の月は大変明るく、綺麗で見ごたえがあります。
うまく合えば満月と重なる事もありますが、満月じゃないからといってガッカリしなくても良いのですよ。
まとめ
2018年の月見酒の日は9月24日(月)です。
なんとなく月を眺めて終わるだけだった方も、こうして月に想いを馳せると、酒の旨さが一層増すでしょう。
綺麗な月を見上げて、旨い酒を飲み、
「また来年の十五夜も、2人でこうして飲みたいね。」
なんて・・・夫婦で語らうのも素敵ですね。
秋の季節を楽しむ為に、月見酒にこだわってみて下さい。