芋焼酎は、その特有の匂いから、敬遠されていた過去があります。
そんな中、脱芋焼酎として様々な銘柄が生まれたのを機に再び脚光を浴びています。
どこにでも置かれるようになった、黒霧島がポピュラーですよね。
>>>霧島の種類まとめ「値段も味も【千差万別な違い】が!!」
今や芋焼酎は男性だけでなく、女性にも大人気です!
ですが、「昔ながらの芋らしい芋焼酎が好き!」という人もいますよね。
脱芋派も、そうでない人も。
「にわかファンが何を言う」的な人ですら満足できるのが……。
西酒造の『宝山シリーズ+α』です!
サツマイモの品種ごとの個性。
それを最大限引き出した製造方法。
「芋が持つポテンシャルはこれほど高いのか!」と驚ける銘柄ばかりです。
- 芋らしい香りとコク深さが味わえるもの。
- ワインを彷彿とさせるフルーティなもの。
- 麹まで芋で造った、芋100%のもの。
- あたかも洋酒のごとき『天使の誘惑』。
- ギンギンに冷えた状態が美味しい『万歴(ばんれき)』。
名前の通り、正に『宝の山』
ね、ワクワクしませんか?
あなたの芋焼酎のイメージが、大きく広がるかもしれませんよ!
銘柄ごとに芋を使い分け、個性を引き出しているのが宝山シリーズです。
肝心の芋の品種や、芋焼酎造りのあれこれを先に書きます。
「その辺りは知っている/ラインナップを先に見たい」という人は目次から飛んで下さいね。
というわけで、
西酒造【宝山シリーズ+α 20種類】まとめ|芋焼酎ドハマり注意!!
をお送りします!
西酒造のこだわりあれこれ
『屋根のない蔵』をキャッチコピーにしている西酒造。
本当に蔵に屋根がないのではなく、農業から携わっているからです。
『芋焼酎造りは、畑から始める』
それが西酒造の方針ひとつです。
芋の個性を活かした芋焼酎造り。その一端を紹介しましょう!
まずは芋焼酎に使っているサツマイモの品種から。
原料のサツマイモの品種
西酒造が造っている芋焼酎は、5種類のサツマイモを使っています。
それぞれの特徴を挙げていきます。
黄金千貫(こがねせんがん)
皮がジャガイモのような色で、果肉も白色であることから「黄金(こがね)」。
1反(10アール)で「千貫(せんかん)」(3750kg分)程度収穫できるのでコガネセンガンと名づけられました。
でんぷんが多く含まれていて、芋焼酎造りでは、最も有名な品種です。
そのでんぷんから甘い香り、甘味が、芋焼酎のフルーティさを出しています。
食べても美味しく、蒸すと甘い香りがして、ほくほくした食感の甘いサツマイモです。
最近では芋の加工食品でも使われ、スーパーの野菜売り場にもちらほら見られるようです。
白豊(しろゆたか)
こちらも白い芋系です。
くぼみや端に薄い紅色が見られる程度で、皮も果肉も白い品種。
「豊かな収穫を呼ぶ白いいも」という意味が込められています。
青果向けではなく、焼酎やでんぷんの原料用品種として開発されたもの。
食用にするには、加熱しても水分や甘味が少ないため、やや不向きです。
そのかわり、焼酎の原料としては優れていて、まとまりのある甘味が出るのが特徴です。
この先は紫芋、沖縄で言う紅いもの品種です。
綾紫(あやむらさき)
皮も果肉も深い紫色です。
ポリフェノールの一種である、アントシアニンが豊富な紫芋です。
希少なサツマイモで、手間がかかるため生産性の低い品種。
昔はその色素を生かして、お菓子やアイスなどに用いられていましたが、今は芋焼酎としてスタンダードな品種にもなりました。
醸されることで、ワインに似た華やかな香りを放ち、軽快な甘さが出ます。
食用としてはホクホク系のお芋です。
紫娘(むらさきむすめ)
皮は白色で、果肉は紫色です。
熱を加えると、より鮮やかな紫色になるサツマイモ。
これもアントシアニンの色です。
紫芋の中では、珍しいほど糖度が高いのが特徴です。
また紫芋特有の臭みもなく、芋焼酎にすると香りが高く、フルーティに。
口当たりがなめらかで、味わいも奥深いものへ変わります。
食用としては、加熱することにより、さっぱりとした上品な甘さが出ます。
紅東(べにあずま)
食用として、スーパーや青果店で広く取り扱われている品種です。
皮は紫で、果肉が黄色く、ホクホクした食感が持ち味。
関東で急速に市場が拡大した過去があるので、関東圏では定番な品種です。
焼き芋や、ふかし芋、天ぷらにすると美味しいサツマイモです。
芋焼酎で使うと、食用の時とはまた違う、香りの高さが出ます。
甘みがいっそう際立つ傾向にあります。
以上が、使われているサツマイモの品種一覧です。
西酒造は、契約農家によるサツマイモを使っています。
ですので、使っている芋全てが鹿児島県産です。
※ラインナップの商品説明では、品種名のみ入れています。
焼酎蔵では珍しい!米蔵を併設
米麹にもこだわっているため、鹿児島県産の玄米を1年分備蓄しています。
この取り組みは、焼酎蔵としては珍しいもの。
米の鮮度を保つ温度で管理し、麹米として良い状態のものを使っています。
水もこだわり抜いた『HOUMEI』
宝山シリーズの仕込み水も、原酒に加える割り水も、鹿児島の水だけを使っています。
焼酎造りに最適なミネラル分を含んだ、地下水。
その水の名を「HOUMEI(ほうめい)」と言います。
驚くほど柔らかい水質が特徴です。
同じ土壌で育った鹿児島県産のサツマイモもお米とも、相性は最高!
HOUMEIは単体で販売されていて、自宅で宝山の水割りや、お湯割り、ロックアイス用にも使えます。
取り扱っている店が少ないですが、見つけたら買ってみてはどうでしょう。
- 商品名:HOUMEI
- 価格(2L):270円
- サイズ:2L、900ml、500ml
※Amazonは2L×12本組み(3,240円)で売っています。HOUMEISUIと表示されますが、同じ物です。
※楽天では単体(2L/500ml)で売っています。
芋の個性を出す蒸留方式
宝山シリーズの蒸留方法は、『常圧単式蒸留のものが多い』のも特徴です。
おおまかな説明をしますが、斜め読みで構いません(笑)
蒸留は、もろみを加熱して、蒸気を発生させます。
この蒸気にはアルコールが含まれています。
蒸気化させることで、もろみと分離させます。
冷却槽へ送られた蒸気は、冷えて液体に戻ります。
この工程が蒸留です。
気圧を変えない「常圧」蒸留
常圧とは、気圧を変化させないことです。
通常の気圧のままなので、沸点も90℃~100℃です。
常圧蒸留は伝統的な手法で、原料の風味が引き出されるのが特徴です。
ほんのわずかですが、雑味のようなものも取り出されるため、個性がわかりやすいお酒になるようです。
ちなみに焼酎は、減圧蒸留によるものもあります。
減圧は気圧を下げること。
気圧が下がると沸点が低くなります。
40℃~50℃の沸点になるくらい気圧を下げるので、真空に近い状態です。
減圧蒸留は、綺麗でクセのない味になる傾向があります。
本格焼酎になる「単式」蒸留
焼酎には甲類、乙類がありますよね。
何度も蒸留を重ねると、純度が高いアルコールが造れます。
大量生産も可能な、無味無臭の焼酎。
この「連続式蒸留」で造られたものは、「甲類」に分類されます。
一度だけしか蒸留しないのが「単式蒸留」です。
原料の香り、味わいが濃いまま残るのが特徴です。
単式蒸留によって造られたものが「乙類」に分類され、「本格焼酎」と呼ばれています。
宝山シリーズは、「常圧単式蒸留」が多く、細かなところで、「常圧蒸留」「単式蒸留」の違いがありますが……。
常圧蒸留も、単式蒸留も伝統的な手法です。
要は、『昔ながらの造り方の本格焼酎』くらいで大丈夫です(笑)
丁寧にこだわって造られた宝山シリーズは、ほとんどの銘柄が、コンテストで賞を受賞しています。
購入前の注意事項
通販で買う場合、製造年月日は数年前のものが混じっています。
焼酎は日本酒と違って、賞味期限がないからです。
>>>お酒の賞味期限ってどれくらい?種類ごとの解説まとめ|過ぎてしまうと・・・
直射日光が届かない、涼しい場所に保管してあれば劣化はしません。
管理状態が悪いサイトに当たらない限りは、劣化を考えなくてもいいとは思います。
気になる人は、通販サイトのレビューの年月日を参考にするか、問い合わせてみて下さいね。
ではお待たせしました! 宝山シリーズのラインナップ行ってみましょう!
価格は720mlに対しての大手通販サイトのものです。
目安にしてみて下さい。
アルコール度数は、特記していない場合、25度で統一されています。
薩摩宝山4種「白・黒」「紅・紫」
薩摩宝山は4種類あります。
端的な違いは以下の通りです。
- 白麹を使ったもの → 白
- 黒麹を使ったもの → 黒
- 綾紫(あやむらさき)を使ったもの → 紅
- 紫娘(むらさきむすめ)を使ったもの → 紫
ラベルの仕様が似ているのですが、ボトルネックの近くに、黒・白・紫・紅と入っています。
※通販サイトによっては、ボトルネックに上記のものがない場合があります。
ロゴの色も違うので、選ぶときの目印にして下さい。
基本の『薩摩宝山 白麹/黒麹』
1845年の創業以来守り続けてきた、伝統の味。
宝山シリーズの旨さの基準とも言える銘柄です。
しっかりとした芋の味わいと、まるみを感じる飲み心地。
芋らしい甘みで、後味はキリッと。
コスパも良くて、普段飲みにも良いですよ!
2011年にモンドセレクションで、最高金賞も受賞しています。
白麹のものが薩摩宝山のスタンダード的な存在です。
どんな飲み方も合いますが、重厚な芋焼酎を堪能したいならお湯割りがオススメです。
芋焼酎は初めて、という人や、すっきり飲みたい人は水割りやロックでどうぞ♪
- 商品名:薩摩宝山 白麹
- 原材料:黄金千貫/米麹(白麹)
- 価格(720ml):1,000円前後
- サイズ:1.8L、720ml
- 蒸留方法:常圧単式蒸留
黒麹仕込みのものは、香ばしい風味が特徴です。
好みでチョイスして下さい。
どちらも鹿児島県産の黄金千貫を使っています。
- 商品名:薩摩宝山 黒麹
- 原材料:黄金千貫/米麹(黒麹)
- 価格(720ml):1,000円前後
- サイズ:1.8L、720ml
- 蒸留方法:常圧単式蒸留
ワインのような風味『紅/紫 薩摩宝山』
どちらも紫芋を使っていますが、その品種や蒸留方法などが違います。
紫芋を特有の、ワインのようなフルーティな香りと、なめらかな舌触り、深みのある甘みが特徴です。
- 紅は『綾紫』+単式蒸留にて造られたもの。
- 紫は『紫娘』+黒麹+常圧単式蒸留にて造られたもの。
どちらも年一回のみの期間・数量限定品です。
『芋焼酎』の新たな一面を感じさせてくれますよ!
芋の甘さは存分に、かつ切れ味の良さを求めるなら紅を。
香りの高さと、甘み、程よい余韻を楽しみたいなら紫を。
- 商品名:紅薩摩宝山
- 原材料:綾紫、米麹
- 価格(720ml):1,300円~1,400円程度
- サイズ:1.8L、720ml
- 蒸留方法:単式蒸留
- 商品名:紫薩摩宝山
- 原材料:紫娘、米麹(黒麹)
- 価格(720ml):1,300円~1,400円程度
- サイズ:1.8L、720ml
- 蒸留方法:常圧単式蒸留
贈り物なら『福寿』と『限撰』
『薩摩宝山 福寿』は、薩摩宝山の白麹仕込みを、4年以上寝かせたもの。
それにより、とろりとした口当たりへ変わり、味わいも奥深さが増しています。
しかも、ボトルがとてもユニーク。
甕壺(かめつぼ)で柄杓がついています。
和物が好きな人への贈答用としても人気が高いですよ!
飲み空けた後も、他の焼酎を入れて楽しめます。
風情にもお酒にも、心地よく酔いしれることができますね(笑)
- 商品名:薩摩宝山 福寿
- 原材料:黄金千貫/米麹(白麹)
- 価格(1.8L):5,000~6,000円
- 蒸留方法:常圧単式蒸留
西酒造の地元である吹上町で、代々農業を営む農家さんが丁寧に栽培した黄金千貫。
160年前と変わらぬ想いをもって、丁寧に仕込まれた芋焼酎。
それが『限撰 薩摩宝山』です。
上品で香ばしい香り、濃厚な味わい、浸れる余韻。
芋焼酎が好きな人にオススメの銘柄です。
720mlのボトルで、高級感あふれる化粧箱入り。
プレゼントにちょうど良いサイズとお値段です。
ちなみに、ネットで探す場合、「厳選」で検索してもヒットしないことがあります。「限撰」なので、気をつけて下さいね。
- 商品名:限撰薩摩宝山
- 原材料:黄金千貫、米麹
- 価格(720ml):3,000円~3,240円
- 蒸留方法:常圧単式蒸留
※通販サイトによって、表示しているボトルの色に違いがあります。
柑橘系の香りで爽やか『富乃(とみの)宝山』
芋焼酎の新しい世界を切り開いた、代表銘柄のひとつです。
厳選された黄金千貫を、黄麹で仕込み、低温で発酵させることで……。
原材料がサツマイモとは思えない、柑橘類やミネラル系の香りが!
グラスに注がれたときの軽やかな香りとは裏腹に、旨みが深いのも特徴です。
綺麗な香りの余韻と、爽やかささえ感じさせる飲み口。
ビギナーでも楽しめる味わいで、女性のファンも多い銘柄です。
- 商品名:富乃宝山
- 原材料:黄金千貫、米麹(黄麹)
- 価格(720ml):1,500~1,700円程度
- サイズ:1.8L、720ml
- 蒸留方法:常圧単式蒸留
芋を愛する人は『吉兆(きっちょう)宝山』
黄金千貫を黒麹で仕込んだ、本格焼酎です。
甕壺(かめつぼ)で醸し出された風味は、まさに芋焼酎の王道!
昔ながらの、芋らしい甘さやコクを求める人におすすめです。
奥行きのある旨みを持ち、香りの余韻は長く、それでいて嫌な味が口の中に残りません。
お湯割りで飲むと、湯気とともに芳醇な香りが解き放たれます。
芋焼酎好きにはたまらない逸品です!
- 商品名:吉兆宝山
- 原材料:黄金千貫、米麹(黒麹)
- 価格(720ml):1,500円~1,700円程度
- サイズ:1.8L、720ml
- 蒸留方法:常圧単式蒸留
辛口でキリッと『白天(はくてん)宝山』
富乃が黄ラベル、吉兆が黒ラベル、白天が白ラベル。
この色は、使っている麹の色から来ています。
というわけで、白天宝山は白麹仕込みです。
舌の上で感じるやわらかい甘み。
辛口の特徴であるキレの良さ。
その絶妙な調和から生まれる旨さは、白天ならではの味わい。
白麹仕込みの良さを、余すところなく引き出した銘柄です。
辛口が好きな人はお試し下さい♪
- 商品名:白天宝山
- 原材料:黄金千貫、米麹(白麹)
- 価格(1.8L):3,000円前後
- サイズ:1.8Lのみ
- 蒸留方法:常圧単式蒸留
富乃、吉兆、白天の飲み比べセットも
3銘柄とも原材料のサツマイモは黄金千貫がベース。
麹を使い分け、手法を変えることで、三者三様の個性を引き出しています。
で、あるならば。
やっぱり飲み比べてみたくなるのが、酒飲みのサガ(笑)
富乃と吉兆(720ml×2/1.8L×2)の組み合わせでセット売りされています。
「3銘柄を飲み比べたい!」という人向けのものもあります。
白天が1.8Lのみなので、そのサイズに合わせて富乃と吉兆も1.8Lでのセットになります。
一人で飲むのには多いかも、と思われるかもしれませんが、人数が集まる席にはもってこい。
話も盛り上がりそうですよ!
- 富乃宝山 吉兆宝山 2本セット
- 価格(720ml×2):3,000円~4,000円台
- 富乃宝山 吉兆宝山 白天宝山 3本セット
- 価格(1.8L×3):9,000円~10,000円台
とろとろ感がクセに『薩州宝山 三段仕込』
ツウな人、宝山のファンの人は試したい、薩州宝山(さっしゅうほうざん)です。
焼酎造りの肝である「芋」「米」「水」の管理体制を構築するのが念願だった西酒造の社長。
それが叶った記念としてリリースされたのが『薩州宝山』です。
通常の仕込みは麹1:芋5の割合なのですが、この銘柄は麹0.5:芋5.5の比率。
麹を少なく、芋の比率を高くし、芋が持つ旨みを余すところなく引き出した銘柄です。
ただ、麹が少ないので、発酵が難しくなります。
そこで発酵の様子を見ながら、3段階に分けて発酵させる手法を用いています。
仕込みを分け、手間をかけ、ゆっくりと発酵させていった、贅沢な芋焼酎。
芋らしい芳醇な香り、とろんとした口当たり。
奥行きを感じさせる味わいとコクが魅力です。
お値段も手頃なので、定番のものと飲み比べても良いですね!
数量限定品です。
- 商品名:薩州宝山 三段仕込
- 原材料:黄金千貫、米麹(黒)
- アルコール度数:25度
- 価格(900ml):1,000円~1,500円程度
- サイズ:1.8L、900ml
- 蒸留方法:常圧蒸留
麹も芋!芋づくしの全量2種
ここまで紹介してきた宝山シリーズは、サツマイモと米麹を原料として造られたものです。
ですが、麹にもサツマイモを使った「芋100%」の銘柄が2種類あります!
両方とも季節限定品で、お値段も上がりますが、その価値は十分すぎるほど。
芋の本当の力を味わいたいなら、ぜひお試しを。
宝山 芋麹全量
黄金千貫のみで造られた宝山です。
ファンも多く、毎年購入する人もいるほどです。
繊細な仕込みと丁寧な造りで仕上げられています。
芋とは思えない、気品ある香り。
まろやかな甘みが口の中でふくらみます。
宝山ファンは元より、幅広い酒飲みから人気を集める銘柄です。
アルコール度数は、出来高度数になっています(28度程度)。
- 商品名:宝山 芋麹全量
- 原材料:黄金千貫、芋麹(麹菌/黒麹)
- 価格(1.8L):3,000円台後半
- サイズ:1.8Lのみ
- 蒸留方法:常圧単式蒸留
宝山 綾紫芋麹全量
綾紫は醸されることで、ワインのような香りがするのが特徴です。
それを最大限に発揮できるよう、麹も綾紫を使っています。
フルーティな香りは、長い余韻となって続きます。
濃い旨みが爽やかさへと変わっていくことで、後味は軽快に。
その独特の味わいがクセになる人も多く……。
特に女性から熱烈な人気を集めている銘柄です。
黄金千貫のものと、綾紫のもの、両方ともおしゃれなボトルデザインです。
贈答用にも良いですね!
- 商品名:宝山 綾紫芋麹全量
- 原材料:綾紫、芋麹(麹菌/黒麹)
- 価格(1.8L):3,000円台後半
- サイズ:1.8Lのみ
- 蒸留方法:常圧単式蒸留
無濾過・無調整の『酒精乃雫』3種
サツマイモの品種によって、立ち上る香りも味わいも違う。
その個性を思う存分楽しめるシリーズです。
綾紫、白豊、紅東がそれぞれ使われています。
しかも濾過しないことで、よりダイレクトに芋の味わいが感じられる仕上がりです。
多くの焼酎は、蒸溜した後に冷却し、濾過をします。
原酒の状態は、油分や不純物があるので、取り除くための工程です。
「じゃあ無濾過のものは、その工程を省いているの?」と思われるかもしれませんが、違います。
油脂は、冷えることで液体と分離する。
日常でも見られますよね。
この自然な分離を活用しているのが「無濾過」のものです。
寒い時期に、原酒の温度が自然に下がるのを待ちます。
冷えていくと、油脂が表面に浮きます。
その油脂を、柄杓などで「すくい取って」いきます。
乱暴なイメージですが、一般的な濾過は、目の細かいフィルターで濾す感じです。
油脂も不純物も十分に取り除けますが、芋焼酎特有の香りや旨みも一緒に取ってしまう。
無濾過の芋焼酎は、時間と手間をかけて、その部分を残す手法です。
昔ながらの製法で、いわゆる「芋臭さ、芋らしさ」が残る芋焼酎になります。
ストレートにサツマイモの個性を伝えられる反面、芋の状態をそのまま反映してしまいます。
無濾過で、なおかつ美味しい芋焼酎は、鮮度の良い芋を使い、自然の力と手間によって造られていきます。
それだけに純朴な芋焼酎に仕上がり、郷愁を感じる風味になります。
独特で、だからこそ「クセ」になる。
これは良い悪いではなく、味の好みです。
芋焼酎を初めて飲む人や、さらりとした軽いものが好きな人には不向きかもしれません。
ですが……。
「芋焼酎が好き!それも昔の芋っぽいものが好き!」
そんな人にはたまらない味わいです。
芋好きならば是非とも試して欲しい、そんな3銘柄ですよ。
無調整直結のため、アルコール度数も34度と高く、より原酒に近いものです。
アルコール度数が高すぎると感じる人は、後述する「印」シリーズを。
宝山 蒸撰綾紫 酒精乃雫
蒸撰は「じょうせん」、「酒精乃雫」は「しゅせいのしずく」と読みます。
綾紫はでんぷんが少ない芋で、酒造するには効率が悪いのですが……。
華やかで甘い香りがする綾紫。
その持ち味を存分に生かすために造られています。
香り高く、ふくらみのある旨みを感じつつ、飲み後はすっきり。
綾紫を使った芋焼酎の中でもずば抜けて、その特徴が表れています。
公式サイトには、「未練がましくないキレ」と表現されていますが……。
一瓶空けた頃には「未練たっぷりなファン」になるかもしれませんね(笑)
- 商品名:宝山 蒸撰綾紫 酒精乃雫
- 原材料:綾紫、米麹(白麹)
- 価格(720ml):2,000円台
- サイズ:1.8L、720ml
- 蒸留方法:常圧単式蒸留
※季節限定品
宝山 蒸撰白豊 酒精乃雫
でんぷんが少ない綾紫とは真逆です。
黄金千貫よりも多くでんぷんを含む白豊。
その特徴は、類い希なる「深み」です。
軽やかな口当たりが、次第に重厚さを持ち、奥行きのある旨みへ変わっていく。
独特の甘い香りは、ゆったりとした余韻を感じられます。
芋のコク深さを求める人にオススメです!
- 商品名:宝山 蒸撰白豊 酒精乃雫
- 原材料:白豊、米麹(白麹)
- 価格(720ml):2,000円台
- サイズ:1.8L、720ml
- 蒸留方法:常圧単式蒸留
※季節限定品
宝山 蒸撰紅東 酒精乃雫
紅東を使ったバージョンです。
焼き芋、ふかし芋で美味しい紅東。
食用としてポピュラーで、身近なサツマイモだけに、焼酎として飲んだときの驚きはひとしおでしょう!
辛口のような軽さなのに、舌の上に広がるのは、栗を思わせる甘み。
綾紫、白豊よりも甘みが強いのが、紅東の個性です。
甘さを抑えたいならオン・ザ・ロックもありですが……。
お湯割りで、香りを膨らませるのも良いですよ!
広がる香りと、こっくりした甘みに酔いしれましょう。
- 商品名:宝山 蒸撰紅東 酒精乃雫
- 原材料:紅東、米麹(白麹)
- 価格(720ml):2,000円台
- サイズ:1.8L、720ml
- 蒸留方法:常圧単式蒸留
※季節限定品
蒸撰を割り水した「印」3種
「『蒸撰 酒精乃雫』に興味はあるけれど、アルコール度数が高い……。」
二の足を踏んでいる人にオススメです。
蒸撰を割り水して、25度まで抑えられたものです。
それが『綾紫印』『白豊印』『紅東印』の3銘柄です。
割り水で使っているのは、当然「HOUMEI」です。
西酒造が自信を持って販売する水と芋焼酎。
相性は言うまでもなく抜群です。
3種類それぞれ、720mlと1.8Lのサイズがあります。
アルコール度数は25度です。
- 商品名:宝山 綾紫印
- 価格(720ml):1,500円台
- 商品名:宝山 白豊印
- 価格(720ml):1,500円台
- 商品名:宝山 紅東印
- 価格(720ml):1,500円台
格別な香りと極上の舌触り『天使の誘惑』
2014年に「インターナショナル ワイン&スピリッツ コンペティション」で最高金賞・部門最高賞と、W受賞した経歴があります。
どう美味しいのか、普通の芋焼酎と何が違うのか。
ネット上で質疑が飛び交っている銘柄です。
芋の秘めたる力を「熟成」というアプローチで引き出しています。
樫だるとシェリー樽に入れ、長い眠りについた芋焼酎。
その年月は、8年とも10年とも言われていますが……。
目覚めたお酒は、薄い琥珀色。
芋というより、バニラのような気品ある香りがふわり。
驚きのまろやかさが待っています。
口に含んだときに感じる、滑らかでとろんとした丸み。
濃厚なのに、クドさのない旨み。
芋の持ち味である甘みや深みを、別の方向から追求した味わいです。
アルコールは40度と高いのですが、寄せられた口コミは、
「これを薄めて飲むのはもったいない」(笑)
普段から洋酒を飲んでいる人からすると、「やっぱり芋焼酎でしょ」と感じるかもしれません。
ブランデーに似ているのなら、普通に洋酒を飲んだらいい、と。
ですが。
味覚は人それぞれなのに、高評価を得ている理由。
それは「芋焼酎の新たな世界」を体感した、「感動」そのものを味わっているからではないでしょうか。
新しい世界、新しい可能性。
それらを体現したものに出会うと、純粋に楽しくて、嬉しいじゃないですか。
誘惑された人は、様々な飲み方で堪能しています(笑)
ロックが好き、ストレートこそ、いやいやお湯割りもなかなか、と。
お値段は張りますが、それだけの価値があると思います。
自宅でちびりちびりと飲むのはもちろん、センスが光るプレゼントにもなりますよ!
- 商品名:天使の誘惑
- 原材料:黄金千貫、米麹
- アルコール度数:40度
- 価格(720ml):3,000円台~5,000円程度
- サイズ:720mlのみ
※季節限定品
※値段は通販サイトによって大幅に変わります。
余談ですが天使の誘惑を、『魔王』とのセットで売っているサイトもあります。
焼酎に何故『天使』や『魔王』が使われるのか……。
さらにセットで売りたくなる気持ち。
知りたい人は、こちらを読んでみて下さい。面白いですよ♪
>>>プレミア焼酎3Mとは【実際に飲んでみた】感想&価格まとめ
要『冷凍庫!』な『冷凍焼酎 万歴(ばんれき)』
ウォッカを冷凍庫に入れて、ギンギンに冷やしてから飲むと美味い、なんて聞いたことありませんか?
アルコール度数が高いお酒は凍りにくいため、そんな飲み方ができます。
これはウォッカだけでなく、焼酎の原酒にも合います。
蒸留酒の原酒を、凍る手前のトロトロとした状態で飲むのが「バーシャルショット」です。
ボトルに霜がつくくらいギンギンに冷やす。
一口飲めば、痛快な冷たいキックが喉にガツン。
ゆっくり飲むと、だんだん丸みや甘みが出てくる美味しさがあります。
万歴は、そんなバーシャルショット向けに造られた芋焼酎です。
しかも「ハナタレ」です。
「鼻垂れ」じゃないですよ(笑)。「初垂れ」と書きます。
もろみを蒸留する過程のうち、初期の段階で蒸留器から垂れる原酒。
その状態ではアルコールが60度以上あるので、割り水して45度以下に調整したものを「初垂れ」と言います。
原酒の一番濃厚な部分で、旨みがぎゅっと詰まっています。
全体の量から考えると、ほんのわずかしか取れません。
今は初垂れのものが買えますが、昔は市場に出回ることのないものでした。
万歴は、黄金千貫を、自家培養の酵母を使って仕込んでいます。
その初垂れは、ほのかなピーチの香り。
飲み口は軽快で、凝縮された旨みは奥深いものになっています。
度数が高いお酒に慣れている人は、ぜひお試しを♪
ボトルがとてもスタイリッシュで、筒状の化粧箱もスマート。
大人のかっこよさが光っています。
強いお酒が好きな人のプレゼントにも良いですよ!
- 商品名:冷凍焼酎 万歴
- 原材料:黄金千貫、米麹
- アルコール度数:44.5~44.9度
- 価格(360ml):3,000円台前半
- サイズ:360mlのみ
- 蒸留方法:常圧単式蒸留
※季節限定品
おわりに
芋焼酎の魅力をいろんな角度から見せてくれる西酒造。
「最近の芋焼酎は軽すぎて……」と思っている人も、きっと好みの銘柄を見つけられると思います!
しかも。
実は麦焼酎も造っているんですよ!
麦もまた、香りが際立ち深みのある、って……キリが無いのでやめましょう(笑)