「合成清酒(ごうせいせいしゅ)」と聞くと、あなたはどんなイメージを持ちますか?
2ℓで499円の日本酒もどきを見つけて戦慄した 合成清酒って響きがもう恐ろしい
— むんうぉか@スマブラSPゲーム実況 (@munuxoka) May 10, 2019
スーパーで合成清酒なるものを発見してしまった。1 升で 500 円というやつの他に、2L で 400 円ちょいというものも。一体どんな味がするんだ...。興味あったけど飲みきる自信ないから買えないよね。
— 量産型人月要員 (@s_earlgrey) June 28, 2019
- 恐い
- 飲むと危なそう
- 悪酔いしそう
- ちゃんとした酒なの?
- 学生時代に飲まされて日本酒が嫌いになった
- なんか、やばそう
- まずい
などと、散々な言われようですが・・・
実際のところ、合成清酒とはどんな酒なのでしょう。
そこで今回は、気になる合成清酒について分かりやすくまとめました。
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合成清酒とは
合成清酒とは、アルコールにアミノ酸や糖類・酸味料などを加え、清酒の風味に合成した酒のこと。
酒税法により、以下のように義務付けられています。
- アルコール度数16度未満であること
- 使用する米の重量は、アルコール分20度に換算した場合の重量の5%を超えないこと
要するに、米を多く使わず食品添加物で味を整えている「日本酒もどき」ですね。
「どうしてそんな酒を作ったのか?」と疑問に思ってしまいますが・・・
それには、過去の日本の歴史が大きく関わっています。
合成清酒の歴史
合成清酒が誕生したのは、米不足などの食糧難で国民が苦しむ大正時代。
きっかけは、1918年(大正7年)に起きた米騒動でした。
理化学研究所の鈴木梅太郎らは、将来の食糧難対策として、米がなくても日本酒を造れる様に研究に着手。
(食糧難なんだから、そこまでして酒作らなくても・・・とも思いますが(笑))
1922年(大正11年)に合成清酒の製造法の特許を所得しました。
翌年に「大和醸造」から「新進」という銘柄で製品として発売されたのが始まりです。
後の戦後食糧難の時代には、出荷量がさらに増加しました。
大きく市場を伸ばした合成清酒ですが、現在は、
- 米の豊作
- 嗜好の変化
などにより、出荷量は大幅に減少しています。
合成清酒は「まずい」「体に悪くて危険」って本当?
合成清酒に対して、「まずい」「体に悪そう」という印象を持つ人は多いです。
実際のところ、どうなのでしょうか?
人々が合成清酒に良くない印象を抱くのには、以下の理由があります。
- 醸造アルコールを使用している
- 食品添加物を多く使用している
- 単純に、普通にまずい
順に見ていきましょう。
醸造アルコールを使用している
醸造アルコールとは、合成清酒に一番多く含まれる原料です。
合成清酒以外にも、純米酒以外の日本酒(吟醸酒・本醸造酒など)にも使用されています。
醸造アルコール自体は悪酔いの原因にはなりませんし、質が悪いものでもありません。
しかし、醸造アルコールに対して良くない印象を持つ人は少なくないのです。
その大きな理由は、戦後に流行した「三増酒」にあります。
清酒に醸造アルコールなどを混ぜて薄め、元の3倍の量の酒を造ることができる酒です。
悪酔いしたり、ベタベタした甘さがありましたが、戦後の嗜好品が少ない時代には粗悪な酒でもよく売れたそうです。
現代では、三増酒造りは禁止されています。
しかし、「三増酒=醸造アルコール=粗悪品」という印象は消えてくれないようですね。
食品添加物を多く使用している
合成清酒は、清酒に近い風味を再現する為に多くの食品添加物を使用しています。
醸造アルコールも、添加物の一種です。
そう考えると、添加物まみれのやばい飲み物ですよね。
「絶対に悪い!」とは言えませんが、間違っても体にいいとは思えません。
食品添加物の影響はについては色々な意見がありますが、体に合わない人がいるというのも事実です。
不安な人は口にしないほうが良いでしょう。
とにかく、まずい!
個人的な意見を言うと、合成清酒は本当にまずいです。
私の周りで「合成清酒がうまい」という人は一人もいませんね。
何口かは耐えられても、嗜好品として飲み続けることを舌が拒絶します。
しかし、中には「合成清酒が好き!」と言う人もいますので・・・
本当に、人それぞれの味の好みなんですよねぇ。
合成清酒を飲むメリット
「米も酒も豊富な現代に、あえて合成清酒を飲む必要があるの?」
と、疑問に思いますよね。
しかし、今の時代でも合成清酒を好んで飲む人もいるんです。
合成清酒を飲むメリット
- プリン体が少ない
- 清酒よりも開封後の味が落ちにくい
- 価格が安く、手軽に酔える
合成清酒は、プリン体が清酒に比べて少ないのが特長。
また、開封後も味が落ちにくいという良さもあります。
合成清酒は大容量での販売が多いため、急いで飲まなくて良いのは嬉しいですね。
そして、合成清酒の最大の魅力は価格の安さです。
大量生産でコスト削減ができ、さらに酒税も安いので他の酒と比べて異様に安いんですよね。
2リットルの酒が、なんとワンコインで買えちゃうんです!
「少しでも安く酔いたい」という人にはピッタリですね。
そのまま飲むのが辛ければ、ソーダなどで割るのもありかも・・・?
あまった合成清酒の使い道
合成清酒があまったら、料理酒として使うのがおすすめ。
肉や魚の臭みを取ったり、柔らかくする効果がありますよ♪
肉の下ごしらえや、煮魚などに使いましょう。
おすすめしないのは、風呂に入れる事。
合成清酒を風呂に入れても、日本酒風呂の効能は得られません。
香りも良くないですしね・・・
まとめ
美味い酒が安い価格で買える時代。
合成清酒をあえて選ぶと言う人は、今後さらに減っていくのかもしれません。
気になる人は、試しに飲んでみてはいかがでしょうか。
大容量なので、あまったら料理酒にでも使っちゃいましょう♪
私は、もう2度と飲みたくありませんが・・・