ご飯のおともや明太子スパゲッティなど、老若男女から愛される明太子。
しかし、明太子はなぜ「明太子」と呼ばれているのか気になりますよね。
「たらこはタラの子どもである事が理由だと思うけど、明太子はわからないな・・・」と疑問がわく方も多いはず。
実は、おとなりの国である韓国に関係があったんです。
今回は明太子の名前の由来や語源、発祥や成り立ち、韓国の明太子との違いも解説していきます。
明太子の名前の由来/語源はどこから?
明太子は、ご存知の通り、スケトウダラの卵巣を唐辛子や塩で漬け込んだものです。
ぷちぷちとした食感や真っ赤な見た目が食欲をそそるごはんのお供ですね!
明太子という名前の由来は、このケトウダラを朝鮮語で「明太」と呼ぶことからきています。
- 韓国表記:명태
- 発音:myeongtae/ミョンテ
「タラ=明太」なので、「タラの卵=明太子」という事です。
韓国における明太の由来
さらに深掘りしていきましょう。
なぜ韓国でタラを明太と呼ぶようになったのか。
その理由はごくごく単純なものです。
「明川群」の「太」という方がタラを釣り上げたから、その魚を「明太」と呼ぶようになったという逸話が歴史書に残っているのです。
朝鮮王朝時代末期の学者である李裕元が記した『林下筆記』によると、「明太」の語の由来は、明太を釣り上げた明川郡の「太」という人に由来するという。
引用元:Wikipedia「辛子明太子」
案外、物の名前の由来というのは、こういったシンプルなものが多いのかもしれません。
明太子の発祥は韓国|福岡博多での歴史と成り立ち
今でこそ日本、特に福岡博多名物となった明太子ですが、その発祥地は日本ではありません。
厳密にいえば、現在の辛子明太子と味付けや製法などは異なりますが、その発祥地は韓国にありました。
韓国で誕生した明太子を、明太子の老舗ふくや創業者の川原俊夫さんが改良を重ね、さらにはレシピを広く公開したことにより、今日の博多名物、辛子明太子となったのです。
詳しく見ていきましょう。
韓国で誕生した明太子の源流
もともと韓国には、スケトウダラの卵巣の辛子漬けがありました。
韓国の明太子
- 名前:明卵漬
- 韓国表記:明卵젓 / 명란젓
- 発音:myeongranjeot/ミョンランジョッ
しかし、この明卵漬というのは我々がイメージする明太子とは大きく異なります。
スケトウダラの卵巣を塩と唐辛子、ニンニクや胡麻などと発酵させたものです。
要はキムチの中にたらこを突っ込んで一緒に発酵させるといったもの。
明太子というよりは、チャンジャに近いものと言えますね。
引用:海鮮キムチ型 明卵漬け
・・・これはこれで、ちょっと食べてみたい気もしますね。
チャンジャ、けっこう好きなんですよね。
しかし、好き嫌いが分かれる味であるということは間違いなさそうです。
ふくやの創業者 川原俊夫が明太子を開発
我々がイメージする明太子を開発したのは、ふくやの創業者である川原俊夫さん。
昭和23年、川原俊夫さんは、若い頃に韓国の釜山(プサン)で食べた「明卵漬」を日本で再現しようとしました。
しかし博多の人の口には、ちょっと合わず、不人気が続いておりました。
周りの意見を取り入れ、改良を重ねることで、今のような調味液に漬けこむ製法の明太子が生まれるに至りました。
川原俊夫さんの生い立ちや明太子誕生の歴史をより詳細に知りたい方は、ふくやが公開しているウェブ漫画もありますよ。
引用:漫画「博多明太子物語」
ただ・・・・・・・
説明が多過ぎて、読むのが疲れるということだけが難点です(笑)
実写映画化されていますので、こちらの方が分かりやすいかもしれませんね。
福岡出身の博多華丸さんが主演を務めた「めんたいぴりり」です。
2作が公開されていますので、気になる方はチェックしてみてください。
プライム会員であれば、今すぐ無料で見られますよ。
ふくやの名物から博多の名物へ
ふくやで「明太子」の販売が始まり、試行錯誤を重ねてようやく売れ始めたのは10年後。
口コミが広まり、博多の「中洲市場」にあったふくやの店頭には大行列ができるようになります。
しかし、大行列により、ひとつ問題が発生しました。
行列がふくやの「お隣さんの入口」をふさいでしまうんですね。
「邪魔だからなんとかしてくれ」というクレームに対し…
川原俊夫さんは「それならそちらでも作れば良い」といって、あろうことかレシピや仕入れ先などの詳細を公開してしまったのです。
これは普通では考えられないことです。
繁盛店のレシピは盗んででも欲しいというのが飲食業界の常。
真似するだけで売れますからね。
世界中で文化を超えて愛されているコカ・コーラなどは良い例です。
レシピは厳重に金庫で保管され、そのレシピ内容の詳細は社長さえも知らず、レシピを知る人が誰なのかすら分からないのです。
「コカ・コーラのレシピは世界で数人しか知らない」などといわれています。しかし、人数、そしてそれがどういう役職の人たちなのかも含めて明らかにはされておりません。
ちなみに社長ならびに副社長はレシピを知らないそうです。
人気の飲食物レシピというのは、それほどまでに大事なもの。
社の売上に直結するものだからですね。
それを川原俊夫さんは、惜しみなく公開したのです。
社員たちの特許取得の声をはねのけ、公開に至った理由は、ひとえに辛子明太子の市場活性化のため。
「決して同じ味の明太子は作らないでほしい」という条件によって、創意工夫がなされ、様々な明太子が誕生するに至ったのです。
川原俊夫さんの功績によって、明太子は「ふくやの名物」から「博多の名物」になっていったのですね。
元祖博多明太子の店ふくやはお取り寄せで食べられる!
明太子の市場活性化を促し、広く博多名物として定着させた川原俊夫さんのふくや。
レシピを公開したにもかかわらず、現在でも不動の人気を誇ります。
売上シェアではトップを奪還されてしまう時もありますが、上位には確実に入っているのがふくや。
そんなふくやの辛子明太子は、公式サイトやAmazon楽天で購入が可能です。
現代の辛子明太子を培った、元祖の味を試してみませんか?
まとめ
明太子の名前の由来や語源、発祥や成り立ち、韓国の明太子との違いについて解説しました。
今や日本の食卓に欠かせない明太子、有名店の博多明太子もネットで気軽に注文できます。
ギフト用でも自宅用でも、ぜひ気軽に博多明太子を楽しんでみて下さいね。