明太子は添加物がたっぷり使われているから、食べ過ぎたら危険と聞いたことがありませんか?
- 生の魚卵だから防腐剤たっぷり使っているはず。
- 石油系の合成着色料で赤く染めているかも。
- 食べ過ぎたら健康に害があるかも。
といった怖いうわさもあります。
そこで今回は、実際のところ明太子にはどんな食品添加物が使われているのか、詳しく調べてみました。
結論としては、よほど大量に食べ過ぎなければ大丈夫。
食べ過ぎたら添加物の害よりも、塩分過多や、一緒に食べたご飯の食べすぎの方が心配です。
それでも食品添加物や着色料はやっぱり心配という方もいるかもしれません。
国産の卵を使った完全無添加、無着色の明太子なら安心して食べられますよ。
明太子は添加物たっぷりで健康を害する危険な食べ物なの?原材料を徹底調査
明太子は、生の魚卵を添加物たっぷりで真っ赤に染めて作っているから危険!
という噂がありますが、実際のところはどうなんでしょうか。
有名な明太子メーカー10社の原材料を調べて、どのような添加物が使われているのか調べてみました。
今回調べたメーカーはこちらの10社。
各メーカーの原材料を一つ一つ見てみると、心配していたほどの添加物は使われていませんでした。
以前は、美味しそうに見せるため、腐ったり変色したりするのを防ぐため、という理由で、色んな添加物が入っていたようですが今は違います。
ポイント
- 冷凍の技術が発達したこと
- 材料や製品を運ぶ輸送網が整ったこと
- 鮮度の良い材料を使うこと
これらの理由で、たくさんの添加物を使わなくても品質を保つことができるようになったんです。
添加物を減らすことができたと言っても、まったくゼロになったわけではありません。
どんな添加物が使われているのか、見てみましょう。
明太子に使われている主な食品添加物を解説
明太子にはどのような食品添加物が使われているのでしょうか。
主なものを集めてみました。
ポリリン酸ナトリウム|保水力を高める効果
食品の弾力性や保水力を高めるために使われています。
食品添加物として指定されていますが、日本でも海外でも使用制限はなく、発がん性もありません。
歯みがき粉に入っていたり、中華麺を作るときのかんすいに入っていたりと幅広く使われています。
健康被害の可能性は、大量に摂取した場合、腎石ができることがあります。
ラットによる実験で、体重1㎏あたり4gのポリリン酸ナトリウムを摂取すると腎石ができるという結果でした。
体重50㎏の人に換算すると、200gもの量になります。
だいたい両手のひら1杯分。
それほどの量を一度に摂取することはありえませんよね。
明太子に使用すると、保水力を高めて表面がふっくら膨らんで見えます。
見た目を良くして美味しそうに見せることができるんです。
今回調べたメーカー10社ではほとんど使われていませんでしたが…
安い明太子にはポリリン酸ナトリウムが入っているものがあるようです。
安い明太子は、ガム子という未熟な卵が使われていることがあります。
ガム子は、表面がボコボコしていて、中の粒がネットリして美味しくありません。
添加物のおかげで、見た目だけはふっくら美味しそうに見せていることがありますので注意が必要ですね。
ソルビット(ソルビトール)|保水力のある甘味料
ブドウ糖を加工して作られた甘味料。
保水力が高いので、明太子の水分を保ったり、粒をプリっとさせる効果があります。
砂糖に比べてカロリーが75%ほどなので、ダイエット食品に使用されています。
リンゴの蜜もソルビトール。
自然界にもたくさんありますし、人の体内にもある物質です。
1日の摂取量について特に制限はありません。
便秘薬にも使われているので、あまり大量に摂取しすぎると下痢になることもあります。
ビタミンC|酸化防止剤
食品が腐る原因の一つは、空気中の酸素で食品が酸化してしまうこと。
それを防止するために入れるのが酸化防止剤です。
それ自身が酸化することで食品が酸化するのを防ぎます。
明太子に使われている酸化防止剤はビタミンC。
ビタミンCはペットボトルのお茶にも使われていますし、栄養強化のために使われることもあります。
ビタミンC自体は摂りすぎても排出されるだけです。
だけど、原料として遺伝子組み換えのとうもろこしや大豆を使うことがあるので、それを問題視される場合があります。
遺伝子組み換えの食品を直接使うわけではありませんし、明太子に使用しているビタミンCの量はごくわずか。
健康被害が起きる可能性は低いでしょうね。
タール色素|見た目を鮮やかにする添加物
赤色〇号、黄色〇号と表示されているのが、タール色素。
コールタールを原料にして作られていて、食品の色を鮮やかにし、美味しそうに見せる効果があります。
タール色素はたくさんの種類があって、過去に発がん性物資であるとして規制された色素がいくつかありました。
その結果、タール色素全部のイメージが悪くなっていますね。
日本で食品添加物としての使用が認められているのは12品目です。
メモ
- 赤色2号
- 赤色3号
- 赤色40号
- 赤色102号
- 赤色104号
- 赤色105号
- 赤色106号
- 黄色4号
- 黄色5号
- 緑色3号
- 青色1号
- 青色2号
どれも通常の使用では問題ないと証明されたものです。
ですが、国際基準があいまいなのが気になるところ。
日本で許可されていても、アメリカでは禁止されていたり、その逆もあったりと、国によってさまざまです。
安全性が認められてるとはいっても、あまり摂りすぎないほうが良いかもしれません。
明太子によく使われている着色料は、赤色102号、黄色5号、赤色3号です。
明太子の有名メーカーを調べたところ、無着色の明太子以外では、10社中5社がこの3つの着色料を使っていました。
残りうちの3社はすべての商品が無着色。
無着色の明太子は、どれも卵の新鮮さにこだわっています。
だから無理に色付けする必要がなく、素材のままの色を保つことができるんですね。
タール系色素を使っていないのはこちらの3社。
亜硝酸ナトリウム|素材の色を出す発色剤
発色剤として使われていることが多い添加物。
タール色素のように直接色を付けるわけではなく、素材の色を際立たせる目的で使用します。
ハムやソーセージにも使われていて、加熱しても赤い色を保つことができます。
また、食中毒の原因になりやすいボツリヌス菌の繁殖を抑える効果もあります。
亜硝酸ナトリウムは、自然界にも存在していて、かいわれ大根やホウレンソウ、白菜、キャベツなどにも含まれている成分。
なので、それ自体に問題があるわけではありません。
ただ、他の食材と組み合わさった時に、発がん性物質が生産される可能性があります。
豚肉に多く含まれているアミン類と結合して、ニトロソアミンという物質が生成されてしまいます。
このニトロソアミンに発がん性があるため注意が必要なんです。
けれども、亜硝酸ナトリウムの最大残存量は5ppm(0.005g/kg)と定められているので、明太子に使用されている量はごくわずか。
身体に影響を及ぼすほど食べるとなると、その前に塩分や糖質の摂り過ぎになってしまい、別の危険がありそうです。
どんな食べ物でも食べ過ぎたら害になりますから、適量を守るのがベストなのでしょうね。
国産、無添加、無着色の明太子なら安心して食べられる
最近の明太子は、企業努力で食品添加物の量はかなり減っています。
使っていても、大量に食べなければ健康には問題ないものばかり。
でも、やっぱりちょっとでも使われているのが気になるという方には、完全無添加、無着色の明太子もあります。
福岡県宗像市にある明太子メーカー海千の明太子。
北海道産のスケソウダラの卵巣を使い、 着色料はもちろん発色剤も使っていません。
なので、見た目が黒ずんでいたり、緑っぽい色がついていたりすることがあります。
スケソウダラの卵巣のそばに、胆のうがあるので、水揚げの時に胆汁が卵についてしまいます。
卵が緑色に染まってしまう原因がそれです。
見た目が気になるけど、味はもちろん美味しくて品質も問題ありません。
こちらは、下関市の林商店。
調味液の二次原料までこだわった、完全無添加の明太子です。
- 本ミリンはトウモロコシ・ブドウ糖・醸造アルコールを使っていない物
- 醤油は、国産大豆・小麦粉・塩だけで作られている物(脱脂大豆はNG、保存料としてアルコールを使っている物もNG)
- 鰹エキス、昆布エキスは酵母エキスを使っていない物
- 清酒は、米と麹だけから作られた混ざりけのない物
卵はもちろん北海道産の極上品。
お値段がかなり高くなりますが、化学調味料も添加物も一切使っていないので安心して食べることができますね。
まとめ
明太子は添加物たっぷりで危険な食べ物という噂があるので、実際のところどうなのか明太子メーカー10社の原材料について細かく調べてみました。
結果は、どのメーカーも心配になるほどの量ではないということ。
添加物が気になるほど食べるとなると、塩分量や一緒に食べた炭水化物の量の方が心配になってしまいます。
ちなみに、明太子は1日だいたい20gが目安と言われています。
最近は技術の発達によって、無着色でも見た目がきれいな明太子も増えています。
各メーカーからタール色素を使っていない商品も出ていますね。
発色剤すらも使っていない完全無添加な商品まで登場してます。
どんな食べ物でも食べ過ぎれば害になりますから、安心できるものを、適量食べるのがいいのでしょうね。