家を建てる機会は一生にそう何度もありません。
大事な一回ですから、地鎮祭などの行事は慣例に則りスムーズに行いたいものですよね。
地鎮祭の日程が決まると、工務店やメーカーから「奉献酒(ほうけんしゅ)」を用意するように言われます。
奉献酒と言われても、あまり聞き慣れずマナーも分かりませんよね。
今回は地鎮祭で必要になる奉献酒について解説していきます。。
奉献酒とは
地鎮祭とは土地の神様を祭り、土地の安定や工事の安全について祈願するものです。
奉献酒はこの地鎮祭で必要になります。
日本酒の一升瓶を用意するのが普通です。
奉献酒の読み方と意味と本数
奉献酒は「ほうけんしゅ」と読み、地鎮祭や上棟式などで神様にお供えするお酒のことです。
一般的には2本用意し地鎮祭が執り行われた後は、1本を神主さんに渡して神様に捧げてもらい、もう1本は神様の力が宿ったお下がりとして持ち帰ります。
というのが建前ではありますが、1本を用意したからと言って失礼にあたる訳でもありません。
どの道、工務店やハウスメーカー側も持ってきてくれたりしますからね。
私の場合は自分でも用意はしていたのですが、HMの部署ごとに1本と2本を、それぞれ別に頂きました。
もし、被ってしまうのがイヤであれば、事前に自前での用意が必要か、改めて確認しておくと良いでしょう。
また、持ち帰った奉献酒を飲むことで、霊力が体に入ると言われています。
最近は上棟式を簡略化して行う人が多いですが、上棟式の食事の場で奉献酒を飲んでも構いません。
奉献酒の「のし」の書き方
2本一組で縛った、または箱に入った一升瓶にのし紙をかけます。
のしの上部には「奉献酒」、もしくは「奉献」と書き、下部に施工主の名前を書きます。
のし上部の書き方はどちらでも構わないとされています。
ですが、「奉献酒」と品物名を書くよりも、神様に奉げる意味を込めて「奉献」とする方が良いという考え方があります。
地域の習慣による所も大きいので、不安だったら、祭祀をしていただく神社に直接お伺いすると安心できるでしょう。
水引は結びきりやあわじ結び
奉献酒の水引の形は、一度で十分の慶事に用いられる「結びきり」や、「あわじ結び」など、解くことが難しいものにします。
「あわじ結び」は慶事をはじめ弔辞など全般に用いられるものです。
地鎮祭のような慶事では色は赤白や金銀といった慶事を表す2色のものを使いましょう。
あわじ結びの例
輪の部分が鮑を表しており、両端を引くと一層強く結ばれることから「末永く付き合う」という願いが込められています。
めがね結びの例
また、あわじ結びの輪の部分を大きくめがねの様に広げた、「めがね結び(めがねあわじ結び)」にしても一層豪華さが増します。
奉献酒の銘柄や相場
気になる奉献酒の銘柄やお酒の値段の相場は特に決まりはありません。
施工主の予算に合わせて大丈夫です。
酒屋に赴き地鎮祭で使う奉献酒が欲しいことを伝えれば、予算に応じて見繕ってくれます。
しかし銘柄に決まりがないと言っても、おめでたいことや新たな出発を連想させる縁起のいい名前のお酒が好まれます。
有名どころで言えば、「松竹梅」や「白鶴」がよく使われています。
また歴史ある冠婚葬祭酒としては「黒松剣菱」も有名ですね。
同じ銘柄のものを2本用意しましょう。
のしや水引が面倒!!という方はこんなセットもあります。
お酒を選ぶのも面倒!!という方は、水引、のし、奉献酒がセットになったものを選ぶと簡単ですね。
まとめ
地鎮祭をはじめ神事には隠された意味や決まりごとがあるため、やや難しく感じる部分もありますよね。
やはり伝統に則って厳かに行いたいものです。
上棟式は簡略化するケースが増えているとはいえ、その土地で末永く幸せに暮らすことを神様にお祈りする地鎮祭はしっかり執り行うことに抵抗はないでしょう。
しかし地鎮祭は用意するものが多く大変です。
工務店やメーカーがほとんどの用意を取り仕切ってくれることもありますが、生涯の住まいとなる大切な家作りですので基本的な決まり事くらいは自分でも勉強しておくといいですね。