お酒を嗜む人が気をつけるべきは車の運転。
【飲酒運転】は絶対にしてはいけません。ダメ、ゼッタイ!
しかし、巷でよく耳にする噂があります。
『ノンアルコールを飲み過ぎると飲酒運転で捕まる』
多くの人が、一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?
最近ではノンアルコールの特保やカクテルまで登場していますし、ノンアルを飲む機会が増えてきました。
車の運転をよくする人からしたら、非常に気になるポイントですよね。
先に答えを言ってしまうと・・・【捕まることは、ほぼない】です。
さてさて【ほぼ】とはどういうことでしょうか?
見ていきましょう。
ということで、
ノンアルコール飲料で飲酒運転はウソ!大丈夫な理由とは
をお送りします。
ノンアルコールの定義
まずノンアルコールとはどう言ったものかについて説明します。
日本の酒税法では、以下のように定められています。
アルコール度数が1%以上のものをアルコール、1%未満のものはノンアルコールと表記しても良い
そのため、ノンアルコールと書いてあっても実は0.4%程度のアルコールが含まれている可能性もあるということですね。
巷でよく言われている『ノンアルコールと言っても基準値以下のアルコールは入っているから、飲み過ぎると酒気帯び運転で捕まる』という理論は、この酒税法の考え方からきています。
確かにそう考えると理論上は、酒気帯び運転で捕まる可能性はありますね。
が、あくまで【理論上の話】です。
実際には、現在、日本で一般的に流通しているノンアルコール飲料を飲んでも、それが原因で酒気帯び運転で捕まる事はあり得ません!
『ノンアルコールと言っても基準値以下のアルコールは入っているから、飲み過ぎると酒気帯び運転で捕まる』
という事を言っている人は、理屈しか見ていなくて実状をしっかり把握できていないのかなと思います。
酒気帯び運転の基準
【呼気アルコール濃度が0.15mg/L(血中アルコール濃度だと0.03%)以上】で、罰則の対象となります。
個人差はありますが、一般的なビールの場合、350mlを飲むだけで引っかかる可能性があると言われています。
酒税法上のノンアルコールビールに分類される飲料のアルコール度数が0.4%ぐらいだとしましょう。
アルコール濃度は四捨五入で表記できるので、表記上はアルコール度数0%の清涼飲料です。
しかし実際のアルコール度数で言うとビールのおよそ10分の1なので、単純計算すると『10本飲んで、やっとひっかかるかもしれない』というレベル。
これが『ノンアルコールビールを飲み過ぎると捕まる』と言っている人の考えです。
理論上は・・・まぁ、あり得る、か?
そういえば少し前にノンアルコールビール15本飲んで捕まったと言うニュースがありました。
この事件では『アルコール基準値の6倍が検出された』とのことでした。
基準値の6倍ですよ、6倍。
「ん~、運転手さん、少しだけお酒飲んだ?」というレベルではなく。
「はい、現行犯タイホー!!」というレベル。
「10本飲んで、やっと引っ掛かるかどうか」ということですから、ノンアル15本で基準値の6倍なんて事はあり得ません。
『100本飲んだ』だったら、あり得るかもしれませんが・・・・
350ml缶だったら35リットル?
単純にそんなに水分飲めないでしょう。
あんなの、どうせ苦し紛れの嘘なんですよ。
ノンアルコール飲料が捕まらない理由
ノンアルコール飲料を飲んで捕まるということはあり得ません!!
こうキッパリ断言する理由について解説していきます。
それは現在、【日本のビールメーカーはアルコール度数0.00%のノンアルコール飲料しか販売していないから】です。
嘘だと思うなら、今度スーパーで見てみて下さい、ノンアルコールと謳っておる商品は全部0.00%と書かれているはずです。
0%と0.00%で何が違うの?と思うかもしれませんが、全然違います。
- 0%表記・・・0.5%未満
- 0.00%表記・・・0.005%未満
0.5%と0.005%では、その差はゆうに100倍。
全くもって違いますよね。
そのため0%と書かれたものは、モノによっては10本で基準値に達するかもしれません。
しかし0.00%表記のものは、少なく見積もっても【1000本以上】飲まないと基準に到達する事はあり得ません。
そんなに飲めます?(笑)
まぁ、そもそも0.01%だったとしても、沢山飲んだからと言って、血中アルコール濃度が3倍の0.03%になるのかと言えばならないんですけどね。
そのため、今現在、日本で一般流通している日本のビールメーカーのノンアルコール飲料は、酒気帯び運転の原因になることはあり得ないと言いきれます!
過去には酒気帯び運転で捕まるケースも
ただ、今は0.00%ですが、かつては0.5%のノンアルコールビールも出ていました。
各社出していたと思いますが、私の記憶にあるのは、サントリーファインブリュー(販売終了)です。
これなら先述の通りたくさん飲めば引っかかる可能性はあります。
しかし現在はノンアルコールビールという名称は0.00%が保証できる製品にしか使われません。
ですから現在、日本で一般流通しているノンアルコールに関しては、安心して飲む事ができます。
ただ、なぜ0.00%しかないのかというと、法律とは別にアルコール業界が【自主規制】しているからです。
酒気帯び運転などの問題はビールメーカーにとっては死活問題です。
『〇〇のノンアルコール飲んで捕まった』なんて噂が立ってしまったらお終いですからね。
余計な悪評を立たせないためにも、業界全体で自主規制しているのです。
海外製のノンアル商品に注意
「ノンアルコール飲料は何をいくら飲んでも絶対安心か?」と問われると・・・
実はそうとも言い切れません。
『どっちやねん!』と言いたくなりますね(笑)
あくまで安心と言い切れるのは【日本で一般流通している】ノンアルコールです。
ほぼ大丈夫なんですが、一部【輸入品には例外】があります。
例えばコチラの商品です。
↓
ノンアルコールと書いてあるのに0.5%のアルコールを含んでいますね。
こういった商品の場合、飲み過ぎると危ないです。
1番最初に『【ほぼ】ない』と言ったのは、この【海外製のノンアルコール】の可能性が捨てきれなかったからです。
一般流通は、ほぼしてないと思いますが、海外製のノンアルコールビールを飲むときには少し注意が必要ですね。
飲酒運転と酒気帯び運転
お酒を飲んで車を運転した際の罰則を【飲酒運転】と言いがちですが(私もよく言います)、正確には【酒気帯び運転】です。
同じように聞こえますが、結構違います。
飲酒運転とはお酒を飲んだ状態で運転することで、酒気帯び運転とは体内にアルコールが残った状態で運転することです。
違いがわかり難いですね、具体例で説明します。
料理で使う料理酒にはアルコールが含まれています。
たくさん飲めば当然酔っ払います。
でも、この状態で運転した場合、厳密には飲酒運転にはなりません。
(広義的には飲酒運転にあたると思いますが。)
一見、意味がわかりませんが、何故かというと料理酒は【酒税法が定める酒類】には当たらないためです。
もちろん料理酒の種類によっては、例外はあると思いますが、一般家庭でよく使われる『料理酒は酒ではない』です。
だから『飲酒』という表現は適切ではないんです。
>>>みりんと料理酒の違いとは【味と使い方】よりもアレが・・・
けど飲めば酔っ払います、その状態で運転したら危ないですよね?
そのため警察か取締まる対象は「飲酒」ではなく「酒気帯び運転」なのです。
酒気帯び運転で捕まった際に『ノンアルコールビールがー』とか『あさりの酒蒸しがー』とか『養命酒がー』とか色々と言い訳をする人がいますが、そんなの関係ありません。
酒を飲んでいようがなかろうが、取締まる側の警察からしたらどうでもいいんです。
問題とすべきは、酒気を帯びているかどうか、【正常な運転ができるかどうか】なのです。
本当にお酒を飲んでなくても、酒気を帯びていたら捕まります。
どんな言い訳も通用しません。
諦めて下さい。
※料理酒が、酒税法が定める酒ではない理由は、わざと塩を少し入れて、『飲めたもんじゃない味』にしているからです。『アルコールが入っていても、そのまま飲めないんじゃ、酒とは言えないでしょ?』と言うわけです。これにより酒税を免れています。
>>>ウィスキーボンボン『子供は酔う?』運転も控えた方が無難かも・・・
まとめ
今の国産ノンアルコールで捕まることはないという事は理解して頂けたでしょうか?
けど、もしかしたら『理解したけど、お酒を飲んでなくても捕まる可能性があるのはやっぱり怖い』と逆に心配になった方もいらっしゃるかもしれませんね。
本来『車を運転する』ということは、それぐらい慎重にならなければいけない行為なのです、高速で動く凶器ですから。
日常的に運転していると、その慎重さを忘れてしまったりしてませんか?
この記事がその【慎重さ】を思い出す、きっかけになればと思います。
ちなみに酒気帯びで捕まるのは、圧倒的に『お酒』が原因であることが多いので、過度に不安にならなくても大丈夫ですよ。