ピンク色のワイン。
それがロゼワイン、通称ロゼです。
「ロゼ」とは、フランス語で「薔薇(バラ)色、ピンク色」の意味があります。
ワインって専門用語は飛び出すわ、産地がどうの、ブドウの品種がどうの……。
何だかとっつきにくい面がありますよね。
そんなことを知らなくても、ロゼワインは楽しめるんです!
可愛い色だな、素敵な色だな。
見た目からして楽しめる。
そこが赤ワインや白ワインとの違いです。
フォーマルに、かっちりキメて飲まなくていい。
屋外でも屋内でもいい。
本場の人たちが、ピクニックに持って行くくらいです。
俺、男だし、可愛いとかなぁ……なんて思っているそこのアナタ!
ブラウザのタブを閉じる前に、キャバクラで言ってみたい言葉があるでしょう。
「君のために、ピンドン入れちゃおうかな」
そのピンドンがロゼです!
ドンペリ(ドン・ペリニヨン)のロゼがピンドン。
カモになる前に知っておきましょう。
ロゼは庶民的かつ、オシャレな飲み物だと言うことを。
色が薄いから、味も薄そう……。
そう思い込んでいる人は、この機会にぜひ知って欲しい。
ロゼは白ワインに似た、飲み応えのあるワインです!
ロゼワインの製法を知れば、納得できると思いますよ♪
というわけで、
ロゼワインの作り方|赤や白との違いはどこに?
をお届けします。
赤、白、ロゼ|3種類の違いとは
ピンク色ということは、色で言うなら赤と白の間ですね。
でも前提として、赤ワインと白ワインを足して混ぜてはいません。
赤ワインには赤黒くなる理由があります。
白も同様です。
ブドウを皮付きのまま食べたときと、皮をむいて食べたときって違いますよね。
皮ごと食べると、酸味や甘味の他に、口の中に渋味が残ります。
すごく乱暴に言うと、赤ワインはその風味です。
皮をむいたブドウなら、白ワインの風味。
渋味がなくてサッパリ。
いやいや、ブドウの品種によって一概にそうは言えないでしょー。
巨峰とマスカットじゃ違うでしょ、と。
そうです。
だからワインは、使うブドウの品種にこだわり、作り方にこだわるのですね。
一般的には、赤ワインは皮が赤黒い「黒ブドウ」を使い、白ワインには「白ブドウ」を使います。
詳細は省きますが、ワインの製造過程において都合が良いからで、決まりはありません。
というのも、ブドウをどう使うかで、ワインの種類が変わるからです。
赤ワインが赤黒いのは、黒ブドウの「皮も種も使う」から。
皮ごと粉砕し、発酵している間に皮の色が浸透していきます。
これを『浸漬(しんし)』と言います。
白ワインは透明に近いのは、先に「果汁だけ」搾るから。
発酵させる前に、皮や種は取り除いちゃう。
だから色素が薄い。
極論。
どっちのワインにせよ、どんなブドウを使っても構わない。
「ええー!?」と私も驚きました(笑)
黒ブドウを使って白ワインも作れます。
先に皮と果肉を分けてしまえば、色が移らないですよね。
つまり、赤・ロゼ・白のワインの分け方は、単純にブドウの皮による「色素」です。
色の付き方が違うのは、造り方が違うから。
ロゼがピンク色の理由もそこにあります。
赤と白の造り方を両方使う。
結果、ピンクになるのです。
でもピンク色と言っても、濃いピンクや薄いピンクがありますよね。
それはロゼの造り方による差で生まれるものです。
赤ワインと白ワインの作り方の比較
ロゼの作り方を理解するために、赤ワインと白ワインの作り方をご紹介します。
赤ワインの作り方
- 選別 →収穫したブドウから良い状態のものを選ぶ(選果)
- 除梗(じょこう)と粉砕 →ブドウの粒がついている小さな枝(梗)を除き粉砕
- 発酵させながら調整
- 圧搾(あっさく) →潰して搾り、果皮や果肉を取り除いて液体だけにする
- 寝かせる →樽やタンクなどで貯蔵
- 濾過して瓶詰め
3.の粉砕で、皮・実・種から色素やタンニンが出ます。
タンニンとは渋味の成分で、ポリフェノールの一種です。
柿や緑茶なんかに含まれているものですね。
4.の発酵で、そういったポリフェノール類や、酸味なども醸されていきます。
さらに、ブドウの皮(果皮)が浸漬(浸透)します。
マセラシオンと言います。
発酵には色んな手法があり、それによってワインの濃さも調整されます。
発酵期間も、ブドウの品種によって変わってきます。
かの有名なボジョレーワインも、その手法のひとつから出来ています。
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白ワインの作り方
- 選別
- 除梗と粉砕 → 白ワインの場合あえて除梗しないこともある
- 圧搾
- 発酵させながら調整
- 寝かせる
- 濾過して瓶詰め
赤ワインとの大きな違いは「発酵より先に圧搾する」ことです。
これによって赤と白の、色と味の違いが出て来ます。
発酵のさせかたは、多岐に渡りますので割愛しましょう。
ロゼワインの作り方まとめ
ロゼの作り方についてご紹介します。
実はロゼワインの作り方には多くの種類が存在しています。
それは以下の5つ。
- セニエ法
- マセレーション法
- 直接圧搾法/ダイレクトプレス
- 混醸法
- ブレンド法
順に解説します。
1.セニエ法
セニエを和訳すると「血抜き」です。
最も高級なロゼができる方法で、現在ではこの製法が流行っています。
元々は高級赤ワインを作るときに、凝縮された味を出すための手法です。
発酵の途中で、15~20%程度の果汁を抜きます(血抜きの由来)。
この「抜き取った果汁」で作っていくのがロゼです。
残りの果汁は当然、高級な赤ワインへと仕上げられていきます。
抜き取った果汁も「元が良い」わけですから、美味しいロゼになるポテンシャルを秘めています。
濃い色のロゼに仕上がることが多いです。
ただ、全体の15%~20%の果汁で作るため、ロゼ自体の生産量は少ないですね。
生産者が望むロゼになるかは「出来てからのお楽しみ」な部分も。
2.マセレーション法
フランスの一般的なロゼの製法です。
途中までは赤ワインと同じ造り方です。
後半から白ワインの造り方に切り替えます。
黒ブドウを除梗・粉砕して、発酵。
ここまでは赤ワインと同じです。
ただしマセラシオン(果皮の浸漬)は短時間で切り上げます。
5~36時間程度です。
時間は、色の付き方や味で変わります。
その後は白ワインと同じように、圧搾したのち、果汁のみを発酵させて仕上げていきます。
セニエ法との違いは、全てがロゼになるロゼのための造り方だということ。
ですから、生産者が望む濃度で作れます。
どれくらいの量を作るかも予め決められます。
3.直接圧搾法/ダイレクトプレス
白ワインと同じ造り方です。
ただし使うのは黒ブドウ。
黒ブドウを粉砕し、圧搾してから発酵させます。
白ブドウと違って、圧搾時に色素が着くのがポイント。
ぎゅっと潰して搾ったときの、ほんのりした色が出ます。
淡い色のロゼになります。
4.混醸法
ドイツで多く採用されている方法です。
黒ブドウと白ブドウを一緒に使って、白ワインと同じように作ります。
古くから伝わっている造り方です。
※ブドウの状態で混ぜて作るのであって、発酵後のものを混ぜてはいません。
5.ブレンド法
発酵後の赤ワインと白ワインを混ぜて作る方法(!!)ですが……。
ヨーロッパでは一般的に禁止されています。
ロゼのシャンパンだけ、例外として許可されています。
簡単に作れる反面、無個性になる面も。
日本では禁止されていないので、ブレンド法による国産ロゼもあります。
しかし、ふざけて「混ぜればロゼになるんだよ!」なんて飲みの席でやったことはありますが・・・
実在する方法だったとは・・・・
このように様々な方法で造られているロゼですが、味は一体どう違うのでしょうか。
ロゼワインの色と味の関係
「色が赤と白の中間だから、ロゼの味も中間かな?」と思いがちなのですが、どちらかというと白ワインに近いです。
白ワインに、黒ブドウの風味が加わった、というイメージの方がいいかもしれません♪
ロゼワインの製法を読んで、気付いた方もいると思います。
『セニエ法』と『マセレーション法』は、発酵の「途中」で圧搾し、液体を発酵。
『直接圧搾法』と『混醸法』は、圧搾してから液体を発酵。
どちらも赤ワインのように、完全に発酵してから圧搾していないですよね。
赤ワインの「重厚さ」が出る前に、圧搾します。
直接圧搾法と混醸法に至っては、かなり白ワイン寄りの造りです。
ですから、一概には言えませんが、味わいも色の濃さとおおむね比例します。
色見本を作ってみました。
色が濃いロゼだと、しっかりした味わいで、コクもあります。
淡い色だと、すっきりした飲み口で、爽快さがあります。
ロゼを選ぶときの、大まかな目安にして下さい。
中には、どう見ても赤ワインでしょって思う色のロゼもあります。
その辺は……。
生産者がロゼだと言ったら、それは「ロゼ」なのです(笑)
気候やシチュエーションに合わせて、色から選ぶのもいいですね。
暑く感じるときには淡い色のロゼで軽快に。
より爽快さを味わうなら、スパークリングなロゼを。
寒くなってきたら、濃い色のもので、落ち着いた味わいを楽しむのもいい!
ホームパーティなら、鮮やかな色を選ぶと、メンバーのテンションも上がります。
女性にプレゼントするときは、相手の好きな色合いを想像してみましょう。
「キリっと鮮やかな色が好きそうだな」とか。
「ふんわりした優しい色が似合いそうだな」なんてね。
だって口に入れる前に、まず見ますから。
「綺麗!」と思いながら飲んだものは、大抵美味しく感じるものです。
ロゼワインの飲み頃温度は
ワインなので、飲むときの温度が気になると思います。
- どれくらい冷やしたらいいの?
- それとも常温に近い方がいいの?
一般的にロゼは冷やして飲むのがベターとされています。
とはいえ、個人が楽しむ場合には、そこまで神経質になる必要もありません。
好みの温度を試してみるのも楽しみ方のひとつですからね。
同じ銘柄のワインでも、温度によって風味が変わります。
最初は10度以下に冷やし、時間をかけてゆっくり飲んでみましょう。
グラスの中で風味が変わっていくので、この味が好きだなと感じた温度。
それが美味しい温度です。
人間の体温は大体36度くらい。
20度以下のものを飲めば、冷たく感じます。
最初の内は、冷たい方がとっつきやすいとは思います。
目安としては、10度くらいに冷えていると、さっぱり飲めると思います。
フルーティさも感じるでしょう。
キンキンに冷やしすぎると、香りが飛ぶので気をつけて下さい。
香りやコクを味わうなら、15度~20度くらいまでを目安にするといいでしょう。
色が濃いロゼの、しっかりした味やコクを楽しむなら、少し高めの温度で。
薄い色合いなら、冷やして切れ味を出すのもいいです。
また、辛口なものは冷やし気味にすると、より爽快。
甘口は、少しだけ冷やした状態で飲むと、コクやまろやかさが出る。
傾向としてはこんな感じです。
慣れてきたら、色や、甘口/辛口に関わらず、温度を変えてみましょう。
常温を美味しく感じる人だっていますからね!
気温に合わせてみるのもオススメです。
寒い場所で冷たいものを、無理に飲んでも楽しくないですよね。
逆もそう。
暑いときに常温に近い温度でも、ねぇ。
ただ、スパークリングなロゼはビール並の温度が良さそうです。
シャンパンと呼ばれるものは、逆に冷やしすぎないように。
ロゼに合う料理は
ロゼワインは、その産地でもあるフレンチやイタリアン、スペイン、ドイツ料理が合うのは当然。
洋食、和食、中華にも合います。
醤油味や味噌味もいいですし、ラー油やマスタードが効いたピリ辛なものだってOK。
幅が広すぎて、逆に困るかもしれませんね。
また、赤やピンク色の食材を使ったものと合う、と言われています。
カニやエビといった甲殻類。
魚ならサーモン。
魚卵なら明太マヨもいいですね。
肉ならベーコン。
野菜ならトマトベースのもの。
「豚肉や鶏肉もピンクじゃないの?」と思った人もいるでしょう。
合います。
自由でいいのです。
いろんな料理に合うので、ロゼの温度を変えていくのも楽しいですよ。
熱々な濃い料理を食べるなら、冷やしてみる。
サッパリした冷たい料理なら、すこし高めの温度にする。
そこに甘口、辛口を組み合わせてもいいでしょう。
濃厚な食べ物となら、淡い色で辛口なロゼを、10度以下で。
あっさりした食べ物なら、濃い色で甘口なロゼを、15度~20度くらい。
ほんの一例ですから、自分なりにアレンジしてみて下さい。
美味しい組み合わせを発見できると思います!
ロゼワインはチリ産を筆頭に、低価格なものが揃っています。
いろんな銘柄で飲み方を試してみても、お財布に優しいですよ♪
ただシャンパンになるとお値段が急にランクアップするので注意です。
ロゼを単体で楽しむなら、自分好みの温度で。
料理と一緒に楽しむなら、少し調節して。
そんなふうに「ロゼとお付き合い」してみませんか?
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安い!美味い!ロゼワインおすすめ人気国別コスパランキングまとめ
おわりに
世界的にブームになり、親しまれているロゼワイン。
フランスでは夏の風物詩であり、アメリカでは避暑地でのお供として親しまれています。
四季がある日本なら……。
お花見、花火、お月見、紅葉狩り、雪見酒だってあり。
シチュエーションと一緒に、気軽に楽しみましょう♪
それがロゼワインの醍醐味ですよ!