グリーンの特徴的なデザインボトルに詰められた「ハートランド」
主に、その見た目と名前の響き、販売方法から、外国のビールと勘違いされやすいのですが・・・
れっきとした日本のビールです。
意外なことに、キリンビールの顔ブランド「キリンラガー」に次ぐ同社のロングセラー商品なのです。
その人気の秘密と特徴を紐解いていきましょう。
ということで、
キリンハートランドビールはどこの国?最高にうまい味と特徴まとめ
をお送りします。
発売30年を超えるロングセラー商品
日本のビールでもっとも長いブランド歴を持つのは「サッポロラガービール」と言われています。
明治10年(1877年)に現サッポロビールの前身である開拓使麦酒醸造所から発売されて以来、なんと140年を数えます。
一方、長年にわたって日本のビール界のガリバーだった「キリンビール」
125年以上の歴史を持つキリンラガーに次ぐロングセラーブランドが、1986年発売のハートランドというのは少し意外な事実ですよね。
とはいえ、他の商品とは明らかに一線を画すプレミアムビールとして30年続いてきたのは、戦略の勝利であり、間違いなく商品の力でしょう。
日本におけるビールの歴史はペリー来航のころに始まり、一時は100社を超えるほどにビール会社ができた時代もありました。
その後明治中頃には今のビール会社のもととなる骨格が整いましたが、当時の国策とも絡んでいるのでなかなかに複雑です。
ですから、一概にブランドの歴史として語るのも単純に行かない側面があります。
ともあれ、ハートランドは日本で生まれて30年、日本で愛されてきたプレミアムブランドビールのひとつなのです。
ハートランドの特徴
ハートランドの特徴は、何よりその原料の純粋さにあります。
つまり、ドイツビールと同様に「麦(麦芽)、ホップ、水」だけでつくられているのです。
日本においては、原料の3分の2に麦芽が使用されていればビールと名乗ることができますが、ドイツにおいてはそうはいきません。
ビール純粋令という法律に基づいて、ビールとは麦、ホップ、水からつくるものと決められているからです。
(その厳密さにおいては、時代に合わせて徐々に緩くはなってはいます)
そういう意味で、このビールは明らかに他の商品とは違うコンセプトでつくられ、存在しているビールといえます。
さらに、元々の出発点がユニークです。
ハートランドの誕生は、六本木にある古い洋館のビアホール「ハートランド」のハウスビールとしてスタートしたのです。
ボトルのエンボスは、デザイナーの「ボトルに手で触れて初めてわかる良さ」にこだわったところから生まれたといわれています。
残念ながら、すでにそのビアホールはなくなってしまいましたが・・・
発祥の地、発祥のお店でハートランドを愉しんでみたかったものです。
ハートランドの味は
ハートランドはピルスナーと呼ばれるカテゴリーに属します。
ピルスナーとは、麦芽を低温で醸し、下面発酵させてつくるラガービールの一種のことです。
世界で最もポピュラーともいえるビールですね。
>>>『エールとラガーの違い』まとめ【価格以上】に味とビールの楽しみ方が・・・!?
ハートランドの特徴に絞り込むと、ファンの多くが、すっきりとした味わいの中にある特徴的な香りをあげています。
ハートランドが誕生した時代背景からいえば、同世代ビールにアサヒの「スーパードライ」がいます。
基本的には「喉越し」「コク」「キレ」がキーワードになり、食中酒としてのある種の軽さが求められた時代ですね。
ハートランドは、そうした時代の求める流れも汲みつつも、独自の香りや味わいを上手に主張することに成功したブランドだといえそうです。
ブランド力を支えるデザインのこだわり
ビールは酒なのだから、味さえよければよいのだ、というわけには正直いきません。
酒は嗜好品であるがゆえに、そのデザインや色といったルックスも実は酒を味わうのに重要な要因の一つだったりします。
そうした意味で、ハートランドにはロゴやボトルデザインへのこだわりが相当詰まっている感がありますね。
ハートランドのジョッキというのも一般的なブランドの絵のラベルではなく、全面透明、エンボス加工でロゴが入っているかわいい形状。
まとめ
今でこそ、ビールの売上げで首位の座をアサヒビールと争う立場になったキリンビール。
長年にわたってガリバーであり続けた、さすがの懐の深さを感じさせてくれるのが、こうした「こだわり」に見え隠れする、というのは少々うがった見方でしょうか。
ともあれ、ハートランドはロングセラー商品として、国産プレミアムビールとして、一定のファン層を獲得しています。
いつものビールに飽きたかな、と思ったら、1本250円を投下して、ぜひ一度飲んでみてもらいたいビールです。