お正月と言えば、お年玉、年賀状、おせち料理、門松、しめ縄。
そして、お屠蘇(おとそ)ですよね。
私も小学生ぐらいのころ親にお屠蘇を飲まされ、「まずい」と思った苦い思い出(カライ思い出?)があります。
しかし、そもそも「お屠蘇って何?日本酒?」という人や、「聴いたことはあるけど、飲んだことがない」という人は多いと思います。
いい日本人の大人なら、日本の正月文化について正しく知っておかないと、恥をかいてしまうかもしれません。
そこで今回は、
お屠蘇は簡単に作れる!器セットで正しい飲み方を
をお送りします。
お屠蘇とは
お屠蘇(おとそ)とは、一年間の邪気を払って長寿を願って正月に呑む縁起物の酒です。
名前の由来は、邪を『屠り(ほふり)』、生気を『蘇生』するということから来ています。
※名称由来には諸説あり。
お屠蘇は『一人これを呑めば一家病無く、一家これを呑めば一里病無し』と言われていて、家族皆が飲むほど、縁起がいいと考えられています。
とは言っても基本的にお屠蘇はお酒です。
未成年者や妊娠中の人は無理に飲む必要はなく「飲むフリ」をするだけでも大丈夫です。
古いしきたりを大事にする過程の方だと、子供の頃から飲まされて育った!なんて話も聞きますね。
お屠蘇の作り方と飲み方
お屠蘇の素『屠蘇散(とそさん)』
現代では、単に日本酒をそのままお屠蘇として飲むことも多くなっています。
しかし、本来のお屠蘇は、数種類の生薬を漬け込んだ薬酒のことを言います。
この数種類の生薬を混ぜたものは屠蘇散と呼ばれていて、ネットでもお安く購入することができます。
作り方も簡単です。
日本酒やみりん、もしくは両方を混ぜたものに、屠蘇散を漬け込むだけでできます。
上記商品の場合、紅茶のティーパックのような作りになっているので、一晩(7時間前後)ぐらい漬け込むと、生薬の成分をしっかりと含んだお屠蘇が出来上がります。
日本酒とみりんのどちらを使ってもいいのですが、日本酒の場合は辛口、みりんの場合には甘口の飲み口になります。
好みの味になるように両者を混ぜ合わせてください。
ちなみに、みりんを使用する場合は、本みりんを使用してください。
みりん風調味料の場合は、調味料の用途が強く、塩分で調整されていることも。
また、ものによっては、そのまま飲むと非常にまずいです。
値段は高くなりますが、必ず本みりんを使うようにしてください。
>>>みりんと料理酒の違いとは【味と使い方】よりもアレが・・・
お屠蘇を飲む際の作法
お屠蘇を飲む場合には作法があります。
地域によっては多少異なりますが、一般的な作法としては以下のようなものがあります。
- 家族全員で東を向く
- 年少者から年長者の順に飲む
- 飲む人の右側から注ぐ
- 三段重ねの盃で、1杯ずつ飲む(計3杯)※1つの盃に3回に分けて入れ、3回に分けて飲むでも良い
- 『一人これを呑めば一家病無く、一家これを呑めば一里病無し』と唱えてから飲む
ちなみに年少者から年長者の順で飲むのは、毒見の名残とも言われています。
雰囲気を出すなら酒器にもこだわろう
正式にはお屠蘇を飲む場合、屠蘇器と呼ばれる酒器を使います。
屠蘇器とは、朱塗りのお銚子と三段重ねの盃、盃を載せる台座からなるものです。
しかし一般家庭にはなかなかありませんよね。
ない場合は、家庭にある酒器で飲んでもいいとされています。
ただ毎年使うものなので、今後続けていきたい、形から入りたいという方は、一家に1セット買っておくと、それだけでお屠蘇の雰囲気が出ます。
まとめ
お屠蘇とは、『邪を払い長寿を願う』正月の風習の一つです。
日本酒に屠蘇散を漬け込むだけで簡単に作れるので、飲んだことがない人は一度試してみてはいかがでしょうか?
ちなみに、お屠蘇とつながりのある言葉として、「お屠蘇気分」というものがあります。
これは平たく言ってしまうと『正月の休みボケ』の状態をさしています。
お屠蘇を飲んで気持ちよく酔っぱらった気分ということですね。