料理の『さしすせそ』と言えば、『砂糖・塩・酢・醤油・味噌』ですよね。
この辺りの調味料に関しては、まさに基本の調味料なので、誰でもどんな味なのかということはイメージできると思います。
しかし、さしすせそ以外でよく目にする「みりんと料理酒」については、いまいちその役割が分からないという人も多いのではないでしょうか?
違いや、料理におけるみりんとお酒の役割に注目していきましょう。
ということで、
みりんと料理酒の違い|味と使い方以上に決定的な差が
をお送りします。
みりんと料理酒の使い方
料理酒はその名を見るだけでも、「料理に使うお酒」だと誰でもイメージがつきます。
ですが、みりんに関しては、料理をしない人からすると・・・
響きからじゃ全く何ものなのか分からないですよね。
個人的な印象としては、みりんを使いこなせたら「脱・料理初心者」だと思っています。
みりんの役割
みりんの役割は2つ。
甘さをつけることと、照りを出すことです。
単純な甘さの場合は砂糖でも出すことができますが、照り焼きや煮つけなどの「照り」を出すためにはみりんは欠かせません。
また、甘さを出すだけなら砂糖の方が少ない量で済みますが、砂糖とは違って、旨味なども加わるため、上品な甘さに仕上がります。
加えて、アルコール分も含んでいるため、料理酒が持つ効果も有しています。
料理酒の役割
一方、料理酒の役割には様々ありますが、その一つに「食材の臭みを消す」ということがあります。
料理酒は、その名の通りアルコール分を含んでいるため、アルコール成分が食材の臭いを抑えてくれるのです。
特に煮魚なんかでは欠かせない調味料の一つですね。
また、アルコール成分は肉を柔らかくし、味を染みやすくしてくれる効果もあります。
みりんと料理酒の違い
根本的な違い
先でも紹介した通り、「甘く料理に照りをだすものがみりん」で、「食材の臭みを消したり、肉を柔らかくする目的で使われるのが料理酒」です。
しかし、もう一つ「決定的な違い」があります。
それは、みりんはお酒ですが、料理酒はお酒ではないということです。
厳密に言うと、スーパーで一般的に料理酒として売られている料理酒はお酒ではなく、みりんの中でも【本みりん】として売られているものはお酒です。
アルコールが入っていて、名前に酒とついているのにお酒ではない・・・
なんだか不思議な感じですね(笑)
その良く分からない理由には、日本の酒税法が関係しています。
酒税法における『酒類』の定義
日本の酒税法では、日本のお酒にまつわることが様々定義されています。
基本的には分かりにくい文章で説明されているので、wikipediaさんの文章を引用して説明させていただきます。
日本の酒税法が定める酒類の定義は以下のようになります。
アルコール分1度(容量パーセント濃度で1パーセント)以上の飲料が「酒類」として定義される。
引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/酒税法
つまり、アルコール度数が1%を超えた飲み物だと、酒税法が定める酒類になり、酒税がかかります。
酒税法における料理酒の立ち位置
料理酒が、酒税法の定める酒類に該当してしまうと困るのが、世のお母さんたちです。
【酒税がかかる=値段が上がる】ということですからね。
だからといって料理酒は、アルコール成分が重要な役割を果たすので、アルコール度数を1%未満にすることはできません。
そこで、一般的に売られている料理酒には、意図的に塩が添加され、そのままでは「飲めない味」にされているのです。
アルコールが入っていても飲めないのであれば、お酒ではないよね、ということです。
ちなみに化学工業の分野においても、お酒の成分であるエタノール(アルコール)は使用されます。
工業用エタノールと呼ばれますが、やはり酒税法を回避するために、工業用エタノールでは塩ではなく、メタノールと呼ばれる毒を少量入れて飲めなくしています。
酒税法におけるみりんの立ち位置
一方、みりんは、今では調味料ですが、元来は『お酒の一種』として飲用されていました。
調味料コーナーに並んでいますが、本来はお酒なのです。
スーパーの調味料コーナーの中でもみりんは「これはお酒です」の注意喚起の文字が掲示されています。
そして、今でもお酒として楽しんでいる人も少なからずいます。
お屠蘇にも使われたりしますからね。
そのため、みりんには当然、酒税がかかってしまいます。
ただし、みりんに関しては、その味も重要な役割のため、料理酒のように飲めない味にしてしまうことはできません。
料理をする上で使い勝手が悪くなってしまいます。
でも、お母さん達からしたら高いのは嫌・・・
そこで考え出されたのがみりん風調味料です。
みりん風調味料は、材料や作り方を変えることで、味はみりんのまま、アルコール度数を低く抑え、酒税がかからないように開発した商品です。
酒類に該当するみりんは「本みりん」として売られており、要は本みりんと書いてある商品は、高級調味料ということです(笑)
スーパーの調味料コーナーのみりんを見ると分かると思いますが、商品によって値段が全然違います。
高いのは本みりんで、安いのはみりん風調味料です。
値段差を比べると、酒税が如何に高いかが分かります。
最初、この知識を知らない時にはあまりの値段の差に愕然としたものです(笑)
飲めないみりんもある
ちなみに、料理酒と同じく、みりんに塩を加えて飲めなくした商品もあることにはあります。
こちらは『発酵調味料』や『みりんタイプ調味料』という名称で売られています。
みりんの味が好きで普段から愛飲している人は、間違って飲まないように注意してください。
まとめ
みりんも料理酒もどちらも料理には欠かせない調味料ですが、料理をしない人には馴染みのないものかもしれません。
けれど、料理をしない人でも次のことは覚えておいてください。
本みりんは甘いお酒で飲むことができます。
料理酒はアルコールが入っていますが、まずくて飲めたものではありません。
なので、家にお酒がないからと言って、料理酒を飲むのはやめましょう。
はっきり言って不味いです!(経験者)
どうせ飲むなら本みりんを(笑)
コレだけ見ると旨そうに見えてしまいますけどねwww
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