2020年夏、東京オリンピックが開催されます。
国を挙げての一大イベントのため、各業界が東京五輪に向けて様々な取り組みを実施していて、日本は今まさに五輪バブルの真っ只中です。
そして五輪バブルにあやかり、業界再生に向けた取り組みを開始した業界があります。
それが【日本酒業界】です。
日本酒の需要量は1970年代をピークに年々減少し、2015年にはピーク時の3分の1まで減少しています。
そんな深刻な日本酒離れの中、日本酒業界が再起をかけた取り組みとは何か!?
今回は、
東京オリンピック公式乾杯酒を目指せ!!『awa酒ブランド』の銘柄まとめ
をお送りします。
東京オリンピック公式乾杯酒を目指して
先に説明した『深刻な日本酒離れ』と、そんな中、近年巻き起こる『スパークリング日本酒ブーム』、そして『東京オリンピック』を見据えて、国内の有名蔵元が団結し、2016年11月に新たな協会が設立しました。
その名も・・・【awa酒協会】です。
『awa酒』とは『あわざけ』の事で、『スパークリング日本酒』をブランド化し、日本のみならず、世界に向けて日本酒をアピールするというのが、協会の設立目的です。
このawa酒は従来のスパークリング日本酒のように『シュワっとする日本酒』という曖昧な定義ではなく、厳密な基準を設け、シャンパンのように様々な乾杯シーンで飲まれるような、少し格式高い【品のいいお酒】を目指しています。
そしてawa酒協会設立発表の際には『東京オリンピックの乾杯酒に採用されたい』と意気込みを表明しています。
awa酒認定基準
awa酒の認定基準は次のように定められています。
- 米(※1)、米こうじ及び水のみを使用し、日本酒であること
- 国産米を100%使用し、かつ農産物検査法により3等以上に格付けされた米を原料とするものであること
- 醸造中の自然発酵による炭酸ガスのみを保有していること(※2)
- 外観は視覚的に透明であり、抜栓後容器に注いだ時に一筋泡を生じること
- アルコール分は、10度以上であること
- ガス圧は20℃で3.5バール※2(0.35メガパスカル)以上であること
※1 純米であることや精米歩合については規定しない
※2 二次発酵についてはタンク内でも瓶内でも規定内とする
引用:一般社団法人awa酒協会
その他、常温で3ヶ月以上安定であることや、火入れ殺菌を行うことなどの、品質基準もあります。
平たく言ってしまうと、国産米で作った透明のスパークリング日本酒ということです。
awa酒認定銘柄(2018.1月段階)
2017年4月に行われた認定式では8蔵元の9製品がawa酒に認定されました。
awa酒認定商品には『認定マーク』が付与されています。
それぞれ見ていきます。
南部美人あわさけ:株式会社南部美人(岩手)
- 日本酒度:-20
- アルコール度数:12度
- 酸度:1.6
世界一の市販酒を決める『SAKE COMPETITION 2017』にて『発泡清酒部門:第1位』のお酒です。
味はまろやかな口当たりと、スパークリングのスッとする爽快感、そして最後に米の旨味が広がるバランスのいいお酒です。
2杯目も日本酒を飲みたくなるようなお酒を目指して作られました。
出羽鶴 明日へ:秋田清酒株式会社(秋田)
※あまり流通していない模様です。
- 日本酒度:+9
- アルコール度数:13-13.9度
- 酸度:1.5
日本鶴を彷彿とさせる色合いがラベルの特徴です。
キリっとしたドライな飲み口で、色々な料理に合わせて楽しむことができます。
瓶内二次発酵酒 あわ 八海山:八海醸造株式会社(新潟)
- 日本酒度:-5
- アルコール度数:13度
- 酸度:1.4
こちらのお酒は、乾杯酒ではなく、むしろ食中酒としてのスパークリング日本酒を目指して開発したそうです。
酸味を抑え、上品な甘みを持たせることで、料理の邪魔をせずにうまく引き立て合うことが出来るお酒です。
MIZUBASHO PURE/ THE MIZUBASHO PURE 2008:永井酒造株式会社(群馬)
- 日本酒度:非公開
- アルコール度数:13度
- 酸度:非公開
スパークリング日本酒を作るにあたり、シャンパーニュにて、シャンパンの作り方を学び作られました。
5年間で700回も失敗し、辿り着いたこのお酒はドライな飲み口でどんな料理にも合います。
日本だけでなく世界各国のレストランでも採用されています。
ちなみに『MIZUBASHO PURE』と同じく認定された『THE MIZUBASHO PURE 2008』は2008年に作られたMIZUBASHO PUREのヴィンテージボトルです。
購入できるところは見つかりませんでしたが、たぶん高いんだろうな・・・
参考:永井酒造THE MIZUBASHO PURE 2008ヴィンテージ発売
菊泉ひとすじ:滝澤酒造株式会社(埼玉)
- 日本酒度:-26
- アルコール度数:12度
- 酸度:4.3
シャンパンのような甘みと酸味のバランスが特徴のawa酒で、「30-40代女性に是非飲んでいただきたいお酒です」と蔵元が語っています。
「もろみの発行途中に生じるピリピリした味わいを製品化したい」という思いを20年以上も前からもっていたそうで、今回のawa酒でその長年の思いを達成することが出来たそうです。
七賢 星ノ輝:山梨銘醸株式会社(山梨)
- 日本酒度:非公開
- アルコール度数:11度
- 酸度:非公開
蔵元がある山梨県は国産ワインの産地の一つです。
そのため『アルコール度数13度』というのが一つの基準として土地に根付いています。
しかし、七賢 星ノ輝のアルコール度数は11度。
これは発泡性のお酒の場合、実際のアルコール度数よりもアルコールを強く感じるため、『体感アルコール度数13度』を目指して、11度という控え目のアルコール度数で開発されました
老若男女問わず幅広い客層に好評価を受けており、日本酒ビギナーにもおすすめの商品です。
CHIYOMUSUBI SORAH:千代むすび酒造株式会社(鳥取)
- 日本酒度:-2
- アルコール度数:12度
- 酸度:非公開
品名の『SORAH』とは『美しいオーロラ』『朝焼けの星』を意味します。
その名の通り、どこか幻想的なデザインのラベルですね。
スパークリング日本酒だからといって、シャンパンやスパークリングワインを真似するのではなく、『日本酒らしさ』をしっかりと残すことを意識して開発されました。
日本酒らしい米の味をしっかりと感じられる辛口のお酒で、日本酒好きも納得するawa酒です。
天山 スパークリング Dosage Zero:天山酒造株式会社(佐賀)
※こちらも大手通販サイトでは販売されておりません。
- 日本酒度:非公開
- アルコール度数:13度
- 酸度:非公開
シャンパンの中でも極辛口を意味する『Dosage Zero』ですが、その名の通り天山スパークリングも日本酒らしいキリっとした辛口のお酒に仕上がっています。
1964年東京オリンピックでは
ここまで2020年東京オリンピックについて説明してきました。
そして実は、1964年の東京オリンピックも、ある有名な日本酒と深い繋がりがあります。
それは・・・
【ワンカップ大関】です。
何が深い繋がりかというと、ワンカップ大関が発売されたのが1964年10月10日で、1回目の東京オリンピックの開催日に合わせての発売でした。
ワンカップ大関の歴史には紆余曲折もありましたが、50年以上続くロングセラー商品で、後の酒業界に大きな影響を与えた商品です。
awa酒も今後、日本酒業界に大きく影響を与える起爆剤になるかもしれませんね^ ^
まとめ
東京オリンピックの乾杯酒を目指すawa酒ですが、それはあくまで目標の一つに過ぎません。
世界の様々な乾杯シーンで活躍し、日本酒の魅力を世界に広めることが大きな目標です。
今現在は、日本で行われるセレモニーや結婚式の乾杯酒は、シャンパンやスパークリングワインが主流ですが、今後は『awa酒で乾杯』が当たり前になるかもしれませんね^ ^