広告 獺祭まとめ

「獺祭」名前の意味と由来とは|カワウソから正岡子規まで・・・

日本酒「獺祭」の意味と由来とは|カワウソから正岡子規まで・・・

 

「だっさい」を変換するとすぐに「獺祭」が出てきます。

言葉としては非常に古くからあるものです。

ですが商品名として使うことに対して、はじめは賛否両論あったそうです。

定着した今では想像しづらいですが、音の響きが『ダサいと似ている』ことも指摘されたそう。

漢字も難しいですよね。

 

獺祭と名付けたのには、正岡子規に倣った「革新」と、酒蔵がある地名から由来しています。

まずは獺祭という言葉そのものの意味をおってみましょう。

 

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獺祭の意味と由来

古代の中国で儒学者がまとめた「礼記(らいき)」に「獺祭魚(だっさいぎょ)」という言葉があります。

 

「獺」はカワウソ。

獺(たつ)魚(うお)を祭る、となります。

 

中国のカワウソ(カワウソ=ユーラシアカワウソ)に見られた、独特の習性から生まれた言葉です。

カワウソは通常、魚を捕って食べ、また水中に捕りにいきます。

 

一方で、捕った魚を食べずに、川岸に並べる個体がいます。

全てのカワウソが、ということではなく、そんなことをする個体が見られる、という感じです。

 

当然、並べている間に、他の動物に盗られてしまうこともあります(^_^;)

理由は不明ですが、おもしろい行動ですよね。

 

古代の中国では儒教が広く説かれています。

周から漢の時代にかけて、儒学者がまとめた『礼記(らいき)』の中で、カワウソのそんな行動を祭儀に見立てています。

並べられた魚を供物とし、先祖を祀(祭)っている、と。

そこからカワウソが魚を並べる行為を「獺祭魚(だっさいぎょ)」「獺祭」と呼ぶようになりました。

 

獺祭は先祖供養の意味も

また、正月16日から20日までに行う、先祖供養の行事を獺祭とも呼ぶようにもなります。

旧暦での正月です。

 

それゆえ獺祭魚・獺祭は、季語としても使われ、松尾芭蕉もこんな俳句を詠んでいます。

獺の祭見て来よ瀬田の奥

(かわうその まつりみてこよ せたのおく)

 

獺祭には学者や勉強家の意味も

さらに中国の晩唐では、政治家であり詩人の、李商隠が自ら「獺祭魚・獺祭」と号しました。

文章を作るさい、多くの参考書を自分の周りに並べるように置いた様子を、「獺祭」と比喩したのです。

そこから転じて、多くの書物を調べ、引用する人の様子を指す意味も獺祭に加わりました。

 

正岡子規も「獺祭書屋主人(だっさいしょおくしゅじん)」と別号しています。

正岡子規の命日である9月19日は、子規忌や獺祭忌などと呼ばれています。

 

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獺祭は正岡子規の意味合いから

「正岡子規って教科書に載っていたけど、どんな人だったっけ?」

と、私もピンと来なかったうちの一人です。

でもこの俳句は知っているはず。

柿食えば鐘が鳴るなり法隆寺

正岡子規が詠んだ俳句です。

さらに、この「俳句」という言葉は正岡子規が名付けたものです。

 

鎌倉時代、和歌から派生した「連歌(れんが)」詠まれるようになります。

連歌は貴族的な嗜みとして広まり、室町時代に大成します。

 

室町時代の後半からは、連歌から俳諧(はいかい)が派生しています。

連歌をもっと庶民的に、かつ面白いものとして工夫し、詠まれたものが俳諧です。

 

俳諧は江戸時代に盛んになり、明治初期まで花を咲かせています。

俳諧の芸術性を高めたのが、松尾芭蕉とされています。

 

時代が下って、松尾芭蕉が神格化されていきます。

西洋哲学を学んだ正岡子規は、芭蕉の高名な俳諧を批判しました。

すべての功績を否定したのではありません。

俳諧に説明的、散文的な要素があることを批判し、詩としての純粋性を求めました。

 

子規は、それまで十分な評価を得ていなかった、蕪村の句に注目しています。

技法的に洗練されていて、鮮明な印象を与えていることを称賛しました。

 

子規は俳諧の中の一句・発句(ほっく)を「俳句」と呼び、俳句革新を志します。

西洋の哲学に触れた子規は、簡潔な描写が文学や美術に、大きな効果を生むと確信しました。

「写生」の手法が重要であると説き、視覚的な俳句を詠んでいます。

 

この俳句革新は日本に大きな反響を及ぼしました。

それまで低迷していた俳句界が活気づいたのも、子規の功績と言えるでしょう。

 

旭酒造は、正岡子規の姿勢に倣うように、彼の別号「獺祭書屋主人」にちなんで「獺祭」の名を日本酒につけたのです。

「酒造りは夢創り、拓こう日本酒新時代」

をキャッチフレーズとし、革新的である日本酒造りを志しています。

 

カワウソに由来する地名「獺越(おそごえ)」

旭酒造の蔵がある場所は「獺越(おそごえ)」で、カワウソが絡んだ土地です。

山形県が萩藩だった頃、作成した『地価上申』というものがあります。

各村の石高や由来、村の境界などを記したもので、その中に獺越の由来があるとのこと。

 

また、カワウソは妖怪としての一面も持っています。

その昔『川上村に古い獺がいて、子供を化かして当村まで追越してきた 』という言い伝えから、獺越の地名がついたそうです。

山口県から東京進出を図った旭酒造ですが、地元との結びつきを大事にしている面が伺えますね。

 

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まとめ

「獺祭」という言葉には様々な意味や由来が存在していることが分かりました。

その由来に思いをはせながら一献やるのも、また乙な飲み方なのかもしれません。

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