ピリリと辛くてコクがある、ごはんにぴったりの明太子。
日本食だと思われがちですが、実は「韓国の明太子」が存在するのをご存じでしょうか。
- 日本の明太子と韓国の明太子の違いって何だろう・・
- 作り方はどう違うの?
- ぶっちゃけどちらが美味しいの?
今回はそんな明太子の疑問にお答えします。
日本の明太子と韓国の明太子の違い
明太子は日本が発祥と思われがちですが、そのルーツは韓国にあります。
明太子の発祥について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
私たちがよく知る明太子の起源は、古くから朝鮮半島で食べられていた、スケトウダラの卵巣をキムチ漬けにした明卵漬(ミョンランジョ)です。
博多のふくや創業者である川原俊夫さんが、明卵漬を元に10年かけて改良したものが今の明太子。
韓国では日本の明太子と明卵漬(ミョンランジョ)、どちらも流通しています。
両者の違いを簡単にまとめると以下の通りです。
見た目 | 作り方 | 味 | |
日本の明太子 | スケトウダラの卵巣 | 調味液に漬け込む | 日本人に合うよう改良 |
韓国の明卵漬 | スケトウダラの卵巣 | 唐辛子やニンニクに漬け込む | 独特のクセがある |
それぞれ詳しく解説していきます。
1.見た目の違いはほぼなし!
こちらは韓国の市場で売られている明卵漬です。
日本の明太子と形は同じですが、赤色が鮮やかでとっても辛そうに見えますね。
続いても明卵漬の写真。
冷凍されているので、表面に霜がついていますね。
ほとんど日本の明太子と同じように見えます。
そして、おなじみ日本の明太子がこちら。
出典:ふくや「味の明太子」
日本の明太子も味付けによって様々な色があり、多少形状も異なりますが…
見た目は明卵漬とほとんど変わらないように見えますね。
ただ、やはり馴染みのある日本の明太子の方がとっても美味しそう・・・。笑
2.作り方の違い|最も異なるポイント
日本の明太子と韓国の明卵漬には、作り方に違いがあります。
明卵漬はスケトウダラの卵巣を塩と唐辛子、ニンニクや胡麻などに漬け込み発酵させたもの。
明太子というよりは、チャンジャに近いものと言えます。
引用:海鮮キムチ型 明卵漬け
漬けてある状態の画像で見ると、けっこう見た目も違って見えますね。
一方、日本の明太子は昆布と唐辛子でできた調味液に漬け込んで作ります。
明卵漬を日本人の口に合うように改良していったものが明太子です。
細かい作り方は違いますが…
「スケトウダラの卵巣を漬け込み、味付けしたもの」という意味では同じですね。
3.味の違い|強烈でクセがすごい!?
日本の明太子はご存じの通り、ぴりりとした辛さとプチプチした魚卵、だしのうまみが特徴です。
では、明卵漬はどんな味がするのでしょう。
ぶっちゃけ私もレア過ぎて口にしたことがありません。
実際に食べたことのある方の口コミ感想を紹介しましょう。
韓国では「明太子」は「明卵漬」と表記し、発音は「ミョンナンジョ」である。
私は確認のため、ロッテデパートの地下の食品売り場で現物を買って味も確かめてみた。
日本のものに比べて、強烈にニンニクが利いていて、まあ似て非なるものである。
ただ、韓国の明太子ってちょっと、こう、、、
海の匂いというか、、、
魚の匂いというか、、、
生臭いというか、、、
クセあるんですよね…泣
明卵漬はクセのある、人によって好みが分かれる味のようです・・・。
しかしごま油を加えたり、調理の工夫でとても美味しく食べられるそう。
実際に、以前コンビニのおにぎりとしてミョンランジョが採用されていたこともあります。
引用:ミョンランジョおにぎり
↑の記事では書かれていませんでしたが、調べてみると2010年ごろにセブンイレブンで発売されていたようです。
日本人の味に近づけてありそうですよね。
私は見かけた記憶がないので…
あまり人気も出ずに終わってしまったのかな?
コンビニで手に入るなら、見つけたら食べてみたいものです。
韓国の明太子はどこで食べられる?
そんな明卵漬、一体どこで食べられるんだ・・・?
いろいろ調べてみたのですが、どうやら簡単に手に入るものではないようです。
Amazonや楽天などのネット通販でも取り扱いなし。
「明卵漬」と検索しても、ふくやの創業者を博多華丸さんが演じた映画「めんたいぴりり」のDVDしかヒットしません。
日本ではほぼ入手不可能!
韓国の明太子が日本で売られていない理由としては、ずばり「日本人受けしないから」。
そもそも、明卵漬を日本人の口に合うように改良したのが明太子です。
販売側から見ても、わざわざ明卵漬を購入する人は少ない=売れない、というのが正直なところでしょう。
実際にふくやのマンガでも、このようなシーンがあります。
引用:漫画「博多明太子物語」
しかし口コミを調べると…
「デパートの韓国フェアで明卵漬を食べた」という声も。
百貨店などで韓国の名産フェアなどがあれば、明卵漬を置いてある可能性があります。
そもそも、味が日本人の口に合わずに広がらなかったというのも、昭和二十四年の話。
食の多様性が進む現代であれば、本場の味をそのまま広めることもできなくもないような…
今でこそ爆発的に認知度を高めたイタリアンでさえ、登場したのは1990年代でしたからね。
まぁ…先で挙げたセブンイレブンのように「挑戦はしているものの、なかなか浸透しない」ということもあるのかもしれません。
3.本場韓国の明太子を食べるなら釜山が確実
日本で食べることが難しいなら、海外ではどうでしょうか。
明卵漬のルーツがある韓国の釜山(プサン)市が、明太子発祥としての観光に力を入れています。
というのも、日韓関係の悪化から日本人観光客が激減しているから。
【釜山・前田絵】博多名物「めんたいこ」のルーツがある韓国釜山市で、めんたいこ(韓国では「明卵漬(ミョンランジョ)」)をテーマに観光活性化を図る動きが出ている。めんたいこ原料のスケトウダラの流通拠点だった倉庫跡などを巡る観光コースや、めんたいこを使った料理の体験プログラムなどを検討中。日韓関係悪化で日本人観光客が減少する中、関係者は「めんたいこを生かして国内外から観光客を呼び込み、地域活性化につなげたい」と意気込む。
「韓国の明卵漬をどうしても本場で食べたい!!」という方は、釜山の市場で買うのが一番確実です。
釜山駅の近くには上でも説明したドラマ「めんたいぴりり」が撮影された草梁(チョリャン)伝統市場があります。
ここなら本場の明卵漬が楽しめるはず・・!
日韓関係の改善は必要ではありますが…
沖縄や北海道へ旅行するくらいなら、韓国旅行の方が安くあがりますからね。
気軽に行ける情勢になったら、韓国旅行でミョンランジョを食べる!というのも面白いかもしれません。
まとめ
日本の明太子と韓国の明太子の違いを解説しました。
韓国の明卵漬(ミョンランジョ)はタラコを使ったチャンジャのようなもので、明太子のルーツです。
見た目や製法は日本の明太子と大きく変わりませんが、味はクセがあるそう。
一度食べてみたい・・・!
日本で見かけることがあればラッキーですね。