以前、競馬史の闇として残る『ハマノパレード事件』について記事をかきました。
ハマノパレード事件は、1970年代と、少し古い話です。
競走馬の末路は、当時とは大きく変わっています。
今回はそんな現在の「競争馬の最期」の実情について調査してみました。
\産地直送熊本馬刺し/
※まずい馬刺しでガッカリする前に
競争馬の引退後の行き先
競争馬の行き先について調べてみると以下のようになりました。
行先一覧
- 地方競馬へ移籍
- 薬殺(安楽死)
- 屠殺(食用、飼料用)
- 繁殖用
- 乗馬用
それぞれ見ていきましょう!
1.地方競馬への移籍
中央競馬で活躍した競争馬に関しては、地方競馬に移籍し、再度、競争馬として活躍するケースもあります。
スポーツ選手みたいなものですね。
メジャーリーガーが全盛期を終えて、晩年日本プロ野球に助っ人として来るような。
はたまたプレミアリーグからJリーグ、1部リーグから2部リーグ。
そのような流れが、競走馬にもあるのです。
2.薬殺
中央競馬の競争馬の場合、レースや調教で事故を起こし、予後不良と診断された場合・・・
適切な手続きの後、速やかに薬によって安楽死させられます。
【ハマノパレード事件】を受けて馬にできるだけ苦しみを与えないようにと、整備されたシステムです。
一方で、安楽死については保険会社との兼ね合いもあるようです。
過去には繁殖用の馬が体調を崩し、医師から予後不良と診断されたものの・・・
保険会社に無断で安楽死させることができないため、連絡がつくまでの数日間、その馬は苦しみ続けたといったこともあったそうです。
3.屠殺
食用に殺すことです。
人用の馬肉だけではなく、動物の飼料(エサ)用のケースもあります。
馬肉は栄養学的に見てもヘルシーな食材であることから、ペットフードだけでなく、動物園の餌にされることもあります。
特に、高級ドッグフードには馬肉が目立ちます。
ただ、中央競馬においては、引退後の行き先が屠殺となることはありません。
(と、されています。)
逆に、北海道の地方競馬の「ばんえい競馬」では屠殺も公表しています。
4.繁殖用
成績が好調だった馬は、種馬、繁殖牝馬として、次世代の名馬を産み出すために利用されるケースもあります。
人間に置き換えてみると、羨ましい限りですね!?(笑)
5.乗馬用
乗馬クラブなどに販売され、乗馬用として飼育されるというものです。
これがもっとも穏やかな余生と言えますね。
競争馬の最期
しかし、上記は競争馬の「引退後の行き先」であり、薬殺と屠殺以外は競争馬の最期ではありません。
競争馬の最期の実態については、詳細な調査資料がないため…わからないというのが実情です。
馬一頭を飼育するのに必要な費用は、安く見積もっても月数万円かかると言われています。
そして競争馬は毎年7000頭も誕生していると言われています。
その分だけ引退馬も出てきます。
残念なことですが、利益を生まなくなった馬をかわいそうという感情だけで、寿命が来るまで飼育するとは考えられません。
そのためほとんどの馬の最期は、屠殺を含めた殺処分という考え方が一般的です。
殺処分された馬は食肉になるの?
これも公式データがないので、推測を含むものになりますが、全てが食用になるわけではありません。
研究目的や化粧品などにも利用されるようです。
食肉に関してネット上での情報をまとめると次の様になります。
- 中央競馬で予後不良と診断された馬
薬殺されますが、その肉は薬物の残存が懸念されるため、食品衛生法の観点から食肉にはならないと言えます。恐らくペットフードなどへの流用もないと推定します。
- ばんえい競馬で屠殺された馬
ばんえい競馬の馬は人用の食肉にもなるようです。サラブレッドのような軽種馬とは違い重種馬という文字通り、体格の大きい品種に分類されます。重種馬は軽種馬よりも美味であることから食用とされることが多い品種です。
- 中央競馬の後に『乗馬用』『繁殖用』となった馬
引退間も無いサラブレッドは、筋肉質で【身が硬い】ため、食用には向きません。そのため一定期間、筋肉を落とすために飼育しますが、その期間の肩書きが『乗馬用』らしいです。すなわち【乗馬用=屠殺待ち】ということです。
筋肉を落とし屠殺された馬肉の食肉としての利用法は、ペットフードや動物園の餌、人用だとソーセージなどの加工肉に混ぜ込むという考えが主流のようです。
ネット上には「負けたら馬刺し」というブラックジョーク的な言葉もありますが、少なくとも中央競馬の馬は、「馬刺し」になることはないと考えられます。
どちらかというと「負けたらソーセージ」という方が正解に近いのかもしれません。
まとめ
超優秀な成績を残したスター馬であれば、生涯大事にされて寿命を全う出来るかもしれません。
ですが・・・
そんな馬はごく一部。
ほとんどの競走馬は、食肉にされてしまうということですね。