少し前にSNSを中心に話題になった、「東京では通じない関西弁ランキング」ってご存知ですか?
- 第1位 遠慮の塊
- 第2位 蚊にかまれる
- 第3位 ぐねる
- 第4位 アテ
- 第5位 いがむ
「えっ?全国共通ちゃうん?通じひんの?」
と多くの関西人を騒然とさせた話題のランキングです。
今回は、この第4位にランクインした「アテ」、こちらに注目してみます。
おつまみや肴とは意味が異なるのでしょうか?
なんでそんな呼び方をするのか?
考えていきましょう。
アテの意味とは
「アテ」とはおつまみのことです。
飲み屋で「何かアテ頼んで」と言われたら「つまみを頼んで下さい」という意味になります。
その語源は「酒に【あてがう】食べ物」からきていると言われています。
呼び方は違いますが、意味としては「つまみ」と全く同じ意味で違いはありません。
ちなみに「おつまみ」という名称の由来も「つまみもの」から来ています。
手でつまんで食べるものが多かったことから、こう呼ばれるようになったと言われています。
2つの由来を考えるとどちらも似たような由来ですね。
アテの漢字は?
「肴」みたいに、「専門的で特別な感じ」がありそうですよね。
でも・・・
「あてがう以上の漢字は無い」ようです。
『あてがう=宛てがう/充てがう』ということから、お酒のアテも無理矢理に漢字へするのであれば、「宛て」か「充て」が正解と言えるのかも知れません。
まぁ、普通に「あて」か「アテ」と書いた方が意味は伝わりやすそうです。
おつまみの他の呼び方
おつまみにはアテ以外にも呼び方があります。
その中で、最も歴史が古い呼び方は【さかな】です。
現在では「つまみ、おつまみ」が一般的になっていますが、本来は「さかな」という呼び方が本家本元です。
字は「魚」ではなく「肴」です。
肴の由来
では、肴の由来は何かと言うと「酒菜(さかな)」からだと言われています。
「菜」の字は、食べ物を意味しています。
酒菜とは「酒の食べ物」と言う意味になります。
対して「肴」という漢字の由来は「交ぜる、組み合わせる」という意味の「爻(コウ)」と、「魚や獣の肉」を表す「月(ニクヅキ)」を合わせたものです。
つまり、「肴」という字は、料理そのものを指していることになります。
これらをまとめると、酒菜(さかな)という響きを、料理を意味する肴と言う字に充てたことが、肴という言葉の語源であると言えます。
肴と魚の違い
この「肴」と同じ響きの「魚(さかな)」は、片方がもう一方の語源となっています。
実は、肴の語源が魚ではなく、魚の語源が肴です。
ややこしいですね(笑)
もともと、魚は『さかな』ではなく、『うお』と呼ばれていました。
しかし、おつまみに「魚(うお)料理」が多かったことから、うお料理を「肴(さかな)」と呼ぶようになり、それが転じて「魚(さかな)」と呼ぶようになったと言われています。
元々は『生き物としてのfishを「ウオ」』、『食べ物としてのfishを『サカナ』と呼んでいたようです。
これが『今では全部ひっくるめて「サカナ」』と呼ぶようになっていますね。
ちなみに私自身もよく使ってしまいますが、「酒の肴」という使い方は間違っています。
「頭痛が痛い」と同じように、意味が二重に重なってしまいます。
とはいえ、今じゃ常用語みたいなもので、多くの方が使う言葉ですけどね。
まとめ
酒に合わす食べ物だから、「酒菜(さかな)」
料理を表す「肴」という字に「さかな」と言う読みがあてられ、肴には「ウオ料理」が多かったことから、「魚」という字に「さかな」という読みがあてられたと言うわけです。
今では「つまみ」や「あて」なんて呼ばれていますが・・・
その言葉の成り立ちを知ると、言い方は違えど古くからお酒と料理が一緒に楽しまれてきたということがわかりますね。