江戸切子に並ぶ伝統的なカットガラスである薩摩切子。
「薩摩辺りで作られたカットガラスなんだろうなー・・・。」
という予想は立てられますが、具体的にはどのようなものなのでしょうか?
詳しく見ていきましょう。
ということで今回は、
薩摩切子の特徴とは|ビックリ値段と深い歴史の秘密
をお送りします。
薩摩切子とは
薩摩切子は、幕末に鹿児島の薩摩藩が作り上げたカットガラスです。
薩摩藩がガラスの製造を行なっていたのは主に1846年から1863年。
その後、薩摩切子の製造技術は途絶えてしまい、幻の存在となりました。
幻となった100年後、世界に誇れるガラス工芸を復興させたいと思いから、薩摩切子の復元が試みられます。
その思いが実り、ゆかりの地である鹿児島に薩摩ガラス工芸の本工房が建てられて薩摩切子は蘇りました。
そして本格的な事業がスタートし、今に至ります。
先ほど薩摩切子が復元されたとは言いましたが、厳密には薩摩切子と呼ばれるものは薩摩藩が作ったものだけ。
本物の薩摩切子は非常に価格が高騰しており、高いものだと300万円以上のものも存在します。
流石に手が出せないですよね(笑)
ですが、現代に伝わっているものも作り方に大きな違いはなく、素晴らしいガラス細工なので安心してください♪
薩摩切子の特徴
薩摩切子の最大の特徴は、「薩摩ぼかし」と呼ばれる美しいグラデーション。
透明なガラスに色ガラスを厚く重ね、外側の色ガラスを削ることによって薩摩ぼかしが作り上げられています。
直線的なデザインが多く、色は、紅、藍、緑、黄、金赤、島津紫の全6種類。
この中でも日本で初めて発色に成功したのは紅色。
当時は「薩摩の紅ガラス」として賞賛されたそうです。
この紅色を含め、しっとりとした東洋色は"ぼかし"を持つことで日本の侘び寂びを感じさせます。
これらの色に合わせる模様は、以下のようなものがあります。
- 魚子紋(ななこ)
- 薩摩縞
- 八角籠目紋
- 菊花紋
- 段差付剣菊紋
- 麻の葉紋
- 輪結び紋
- ボブネイル
- 亀甲紋
上記の模様に色鮮やかなグラデーションが加わることで、素晴らしい芸術を生み出しています。
また薩摩切子は手に納まるほどの小ぶりなものが多く、どことなく暖かみを感じるガラス細工です。
薩摩切子の値段はどれくらい?
では気になるお値段についてです。
薩摩切子の値段は数万円のものが多くなっています。
小さいおちょこだと25,000円~ほど。
目ん玉が飛び出るほど、最高級の盃がコチラ。
山下工芸 薩摩切子 伝匠秀逸品三段重盃・盃台 金紫 φ13×18.6cm 13040790
そのお値段、なんとビックリ485万円ンンン!!!!!
※2018年10月現在。
新車が買えるお値段ですね(笑)
まとめ
今回は薩摩切子の特徴やその値段について説明させていただきました。
このガラス細工は薩摩藩の思いが込められた日本の文化の1つです。
ぜひ鮮やかなグラデーションがかかったグラスで美味しいお酒を飲んでみてください!