すきっ腹でお酒を飲む人って結構いますよね。
いわゆる「空酒(からざけ)」です。
かくいう私もたまにやってしまいます。
どうしても「くくくーーっ」と体の中に入っていく感覚が気持ち良いからですね。
体によくないだろうな、と頭では分かっているけどついついやってしまう。
それは、なぜ身体に悪いのかの理由を知っている人が少ないからかもしれません。
リスクを覚えてから、それでも続けるのかを決めてください。
空酒がもたらす身体への影響
空腹でお酒を飲むと、以下の影響があらわれます。
- 酔いが早く回る
- 血中アルコール濃度が急上昇する
- 胃・肝臓に負担がかかる
- 食事の量が増え、太りやすくなる
リスクばかりですよね。
詳しくみていきましょう。
1.酔いが早く回る
空酒をすると、消化器官の中にはアルコール以外、何も消化するものがありません。
となると胃、小腸では急速に吸収されてしまうわけです。
急速にアルコールが吸収されてしまえば・・・
酔いが回るのも当然早いですよね。
そして肝臓でアルコールの分解が始まりますが、一度にすべては分解できません。
大部分は血液と一緒に心臓、脳、全身へと運ばれていきます。
アルコールが脳に到達すると、脳が麻痺し、「酔った状態」を作ります。
胃に食べ物が入っていれば、消化吸収の働きはゆるやかになりますが、空酒だと一気に吸収してしまうのですね。
その結果、満腹時よりも空腹時の方が酔いは回ってしまうのです。
2.血中アルコール濃度が急上昇する
消化管で吸収されない場合、今度は血中へとアルコールが侵入していきます。
そうすると、血液内にどれだけアルコールが含まれているかを示す「血中アルコール濃度」がグイグイと上がってしまいます。
この濃度によって「酔いの程度」が決まるのです。
お腹が空っぽだと、アルコール分解が追いつかないまま血液に乗って巡っていくので、血中アルコール濃度は高い数値に達します。
空酒でいつもより早く酔ったと感じるのは、血中アルコールの濃度が急上昇するからなのです。
調子に乗って空酒でグイグイと飲んでしまうと・・・
最悪の場合、急性アルコール中毒になりかねません。
十分に注意しましょう。
3.胃、肝臓に負担がかかる
空酒は消化管に負担をかけます。
空腹状態でのアルコールは、直接胃の粘膜に触れ、刺激を強く与えます。
そのせいで、食道から胃にかけての粘膜が大きなダメージを受けてしまうのです。
すきっ腹で飲むと、口腔内から食道へ、そして胃のあたりで熱さを感じることがありますよね。
まさに「五臓六腑にしみわたる!」といった感覚で、何とも言えぬ気持ちよさがありますが・・・
これが危うい。
アルコールの分子はとても小さいので胃の粘液のバリアを通過してしまい、胃粘膜に刺激を与えてしまいます。
その結果、胃炎や胃がんなどの病気の原因にもなります。
また、アルコール分解のために肝臓も過剰に働くので、やはり負担がかかるのです。
4.食事の量が増え太りやすくなる
空腹のままアルコールを摂取すると、食欲を増進させる原因にもなります。
アルコール消化のために栄養素を必要とします。
利尿作用で塩分も不足するので、身体は栄養が欲しくなるのです。
また、アルコールが入ると胃酸が分泌されるため、胃を守るために固形物が欲しくなります。
ついたくさん飲んでしまうと、食欲も増して、結果的にはカロリーを多く摂取してしまうことになるのです。
カロリーが増えれば当然・・・肥満にもつながってしまうわけですね。
お酒を飲むならつまみと一緒に
お酒を飲むなら、おつまみと一緒にいただきましょう。
そうすることでアルコールの吸収や分解の速度もゆるやかになり、体への負担も減らせます。
お酒のつまみには、たんぱく質が豊富な食べ物が適しています。
たんぱく質は、アルコールの分解をする肝臓の働きを助けるからですね。
おつまみによくある高たんぱくの食べ物や料理はこんな感じ。
- 枝豆
- 豆腐
- チーズ
- 肉
- 魚
- 卵
お通しとして出されるものが多いですよね。
実は理にかなったものが提供されていたということなのです。
まとめ
お酒は健康的に楽しみたいものです。
長く楽しく良い関係を築いていきたいなら、出来るだけ空酒はやめておいた方が無難でしょう。
「駆けつけ三杯」などという言葉もありますが、まずはおつまみから始めたいものですね。