生肉による食中毒は、度々発生していますよね。
ついには牛レバーの規制などにも繋がり・・・
しかし、その中でも生肉食を続けているのが・・・
そう、馬刺し。
「馬刺しは生で食べても大丈夫なの?」と疑問に思う人も多いと思います。
今回は馬肉の生肉食の『安全性と危険性』について説明したいと思います。
結論から言ってしまえば、ほぼほぼ安全と言えるのが馬刺しです。
その秘密は冷凍にあります。
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※まずい馬刺しでガッカリする前に
生肉食が危険な理由
そもそも、生肉を食べる時の危険性とは何なのかというと、それは、細菌やウイルス、寄生虫などによる食中毒の被害です。
「お腹が痛くなるだけでしょ?」と考えている人は侮るなかれ、近年では2010年以降毎年、食中毒による死者が出ています。
当時ニュースでも話題になり、世間を騒がせましたが、2011年に某焼肉チェーン店で生肉が原因と考えられる集団食中毒の事件が発生しました。
この事件でも、不幸にも命を落とす方がいらっしゃいました。
生肉食に関する国の規制は存在していました。
しかし、この事件をきっかけにその規制はさらに強化され、生肉食が制限されることとなり、牛レバ刺しも提供が禁止されるようになったのです。
生食に関する国の規制
国が定める生肉食の規制は、動物の種類によって異なります。
牛の場合は、生食用の衛生基準があります。
内蔵以外の肉の場合「表面から深さ1cmの中心温度が60度以上になるようにして2分以上加熱し、中央の火の通ってない箇所を生食用として提供しても良い」とされています。
「え?全面禁止になったんじゃないの?」
いえいえ、実は規則が厳密化されただけで、ルールさえ守ればレバー以外でしたら提供は可能なのです。
とはいえ、コスト面やリスク面から提供している飲食店は皆無に近いですけどね。
問題の牛レバーは内部までO157などの危険な菌が潜んでいる可能性があり、安全な生肉としての処理が不可能であるため、生食用の提供を禁止されています。
豚肉は『E型肝炎ウイルス』を保菌している恐れがあるため、生食用の提供を全面禁止されています。
鶏肉は『カンピロバクター』という細菌による食中毒が知られていますが、症状は軽度であることが多いため、2017年現在は規制がありませんが、今後、衛生基準が設けられるかもしれません。
一方、馬肉に関しても牛肉と同様に生食用の衛生基準があります。
ですが、牛肉よりも緩い基準となっています。
これは馬の体温は他の動物よりも高く、菌や寄生虫が繁殖しにくいため、食中毒のリスクが低いと考えられるからです。
本当に馬刺しは大丈夫なの?
2011年に起こった牛生肉による食中毒事件を受けて、厚生労働省は牛肉や馬肉の生肉食に関する危害評価を行なっています。
この評価で、食中毒の危険性がある菌類や寄生虫の8項目に関しても評価を行なった結果・・・
牛肉は食中毒事件の原因と考えられる「腸管出血性大腸菌(病原大腸菌)」や、サルモネラ属菌の危害が高いとされ、結果として牛生食に関して厳しい衛生基準が設定されました。
しかし、馬肉に関しては検査を行なった菌類の危害は低いとされたのです。
海外の文献でも、馬肉から腸管出血性大腸菌が検出されることは稀とされていることから、衛生基準は牛肉よりも緩い基準で良いとされました。
この比較的緩い基準こそ、その安全性について国からお墨付きを貰ったという証だと言えます。
ただ、馬肉は寄生虫が存在するリスクがあることも、この調査の時に確認されています。
この寄生虫は住肉胞子虫(サルコシスティス・フェアリー)と呼ばれる寄生虫です。
当然、食中毒を引き起こす可能性があります。
しかし、馬肉を冷凍(例えば−20℃で48時間以上)することで、この寄生虫による食中毒のリスクが激減することがわかっております。
厚生労働相は、馬肉の流通は冷凍推奨と取り決めることで、食の安全性を確保しています。
そう考えると納得ではありませんか?
馬刺しって、お店で食べる際も、通販で購入する際も冷凍が基本です。
冷蔵コーナーで馬刺しは売っていませんよね。
まとめ
馬肉は基本的に生食しても安全と言えます。
ですが、全ての馬肉に関して生食OKというわけではありません。
加熱処理して食べる目的の馬肉は、生食用の基準を満たしている訳がないので、必ず生食用と書かれたものだけを生食するようにして下さい。
馬刺しでも必ず生食用と記載があります。
記載がない場合は加熱処理が必要な馬肉となりますので、絶対に生食しないで下さい。